第33話 混乱の帝国
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うにもならんそうだ」
「修理の間に叛徒共が再度攻撃して来た場合、今度は危ないと言う訳か」
「滅多なことを」
「いや、事実になりかねん」
「となると、駐留艦隊が壊滅状態である以上増援艦隊にそのまま駐留して貰わんといかんな」
「それだけでは、足らないだろう。あと二万は増援せねばならんだろう」
「トールハンマーが有れば何とか成るのではないか?」
シュタイホフの言葉にエーレンベルクが返答する。
「此は極秘だが流体金属が第三層へ流れた結果、要塞表面の流体金属層が薄くなり要塞の防御に著しい弱体化が見られる。更にトールハンマーの射撃に著しいペナルティーが生じているのだ」
「それでは」
「そうだ、今の状態で行けば、要塞の陥落もあり得る」
「そうなると、資材搬入や資材調達にフェザーンを係わらせる事は出来んな」
「それを知ったら、奴らは嬉々として叛徒共へ情報を売りつけるであろうよ!」
3人が3人共に頷く、此所は何としてもイゼルローン要塞の修理が終わるまでは、叛徒の再攻撃を防ぐ手段を考えなければと。
数日後ノイエ・サンスーシでは国務尚書リヒテンラーデ侯爵と帝国軍三長官が陛下に今回のイゼルローン要塞攻防戦に対する説明を行っていた。
「皇帝陛下におかれましては、ご機嫌麗しく」
「ご尊顔を賜り恐悦至極に存じます」
「うむ。卿等ご苦労」
軍務尚書エーレンベルク元帥が代表し報告を行う。
「誠に恐れ多き事なれど、この度陛下よりお預かりした艦艇1万6485隻を失いましてございます。また将兵168万8561が戦死いたしました。この度の事、臣の不徳の致すところでございます」
陛下は相変わらず酔った状態で聞きながら、さほど気にしないように見えるが、珍しく鋭い質問をしてくる。
「味方殺しを指摘した士官が致そうじゃな?」
そう言われて、エーレンベルク、シュタイホフ、ベヒトルスハイムが味方殺しではなく並行追撃を指摘したのだが、陛下は酔っておられるから、お間違えなのかそれとも結果を皮肉っていらっしゃるのかと考え驚いた様子になる。
「御意」
「その者の名は何と申す?」
「ラインハルト・フォン・ミューゼル少佐であります」
その名前を聞いてフリードリヒ四世は相好を表した。
「アンネローゼの弟じゃな、立派な事よ、そう思わんか?」
「「「「御意」」」」
「そうか、皆もそう思うか。それではあの者に褒美をやらねばならんな」
その言葉にリヒテンラーデ侯爵は渋い顔をしている。
「そうよの、流石に双頭鷲勲章はだめじゃろうから、2階級昇進させよ」
エーレンベルク元帥は仕方なしと思い返答をした。
「御意」
「よいことじゃ。フェザーンなどの後の事は卿等に任せる」
「「「「御意」」」」
ラインハルトの働き
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ