138 犬友
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西村君とは『犬友』になれてよかったわ」
「犬友・・・?」
たかしは『犬友』という言葉からあることに気付いた。城ヶ崎やみぎわ、花輪と飼い犬を通して仲良くなっていたという事に。
「うん、こっちこそ僕やタロと仲良くなってくれてありがとう」
この時たかしはこんな自分に優しくしてくれる城ヶ崎を見るのは初めてな気がした。そして彼は城ヶ崎に惹かれている事に気付くのだった。城ヶ崎も気が強いが男子が相手でも永沢の弟の太郎やたかしのような純粋な心がある者に対しては仲良く接する事はできる。それに誰にだってどこか取り柄があるはずだと思った。藤木も唯一の取り柄であるスケートで全国大会までコマを進めたのだし、以前自分がピアノのコンクールで出会った雲沢も唯一の取り柄であるピアノで銀賞を獲れたのだから。タロを大切にする気持ち。それこそがたかしの取り柄だと城ヶ崎は考えていた。
「それじゃあ、そろそろ寝ようか」
「うん」
二人は客用の部屋へと戻った。
翌日、皆は朝食を食べると、帰る事になった。皆は田夫妻に泊めてくれた礼をした。
「お世話になりました!」
「どうもありがとう」
「また来てね」
一行はヒデじいが運転するマイクロバスに乗り込んだ。
「花輪くう〜ん、楽しかったわあ〜。どうもありがとう〜」
「あ、ああ、you’re welcome、baby・・・」
「花輪クン、今度はまた私のアマリリスに貴方のビッキーと遊びましょう〜」
「わ、わかったよ、baby・・・」
花輪は体が凍り付いた。
「花輪クン」
たかしが花輪に声を掛けた。
「何だい、西村クン?」
「昨日も今日もありがとう。おかげで僕のタロも皆楽しめたよ!」
「え?ああ、そのようだね」
花輪は後部の犬達を見た。タロはアマリリスともビッキーとも、ベスと仲良く遊んでいた。
バスはやがて花輪邸に到着した。
「それでは気を付けて帰りたまえ、everyone」
「さようならあ〜、花輪クン」
「さようなら」
「うん、またね!」
みぎわ、城ヶ崎、そしてたかしの三人は花輪家を後にした。途中で城ヶ崎とも別れた。
「西村君、みぎわさん、さようなら」
「あら、さようなら・・・」
「うん、またね!」
「西村君、また今度一緒にあなたのタロに私のベスと一緒に散歩しようっ!」
「え・・・、うん、じゃあね!」
城ヶ崎に言われてたかしは顔を赤らめた。ベスも嬉しそうに吠えて挨拶した。
「西村君、城ヶ崎さんと随分仲良くなったのね」
みぎわがたかしに聞いてきた。
「あ、うん、『犬友』だからね。もちろんみぎわさんや花輪クンもそうだよ!タロもアマリリスと仲良くなってるからね」
タロとアマリリスもよ転んでいる表情だった。
「『犬友』ね・・・」
やがてたかしはみぎわと
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