第五章
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「そういうの見たらな」
「色気感じないな」
「折角奇麗なのにな」
「勿体ないな」
それで生徒達は蜜に対して青春の欲情を抱くことはなくなった、そしてそれは同僚の教師達も同じでだ。
彼等もだ、蜜に声をかけなくなった。そうして目的で。
それで蜜は頻繁に転勤することもなくなり落ち着いた、評価も普通に優秀でいい先生というものになった。するとだった。
実家にいる蜜にだ、両親が笑顔でこんな話を持って来た。
「お見合いの話が来てるぞ」
「大学の先生よ」
「どうする?会ってみるか?」
「そうしてみる?」
「そうね、お見合いははじめてだけれど」
それでもと応えた蜜だった。
「どんな方かね」
「ああ、一度お会いしてな」
「お話をしてね」
「それから決めればいい」
「それじゃあね」
「お会いさせてもらうわ」
笑顔での返事だった、そしてだった。
蜜はその見合い相手と会って話をして意気投合して結婚となった。仕事は続けたが夫はよく家で蜜にこう言った。
「君を見ていると心配だよ」
「どうしてなの?」
「あんまりにも奇麗で色気があるから」
それでというのだ。
「声をかけてくる男がいないかってね」
「それは大丈夫よ」
蜜は夫ににこりと笑っていつもこう答えた。
「やり方があるから」
「やり方?」
「言い寄られない為のね」
「それってどんなのかな」
「歩き方や仕草よ」
「そういうのでなんだ」
「そう、声をかけられることもね」
夫が気にしているそれがというのだ。
「なくなるから」
「そうなんだ」
「だから安心してね」
「だといいけれどね」
「私だってそういうのは嫌だから」
一年ごとに転勤する羽目になってよくセクハラされそうになった過去のことを思い出しての言葉である。
「だからね」
「それでなんだ」
「そうしたことに工夫をしてね」
「声をかけられないんだ」
「そうなってるの」
「成程、仕草でだね」
「色気出さない様にしてるから」
露出のない服でも出てしまう様なレベルのそれをというのだ。
「安心してね」
「ではね」
「ええ、じゃあ今からね」
「寝ようか」
「一緒に寝るわよね」
「当り前だよ、夫婦じゃないか」
それならとだ、夫は蜜にすぐに答えた。
「じゃあね」
「今日も一緒にね」
「寝ましょう」
「子供も欲しいしね」
「何人欲しいの?赤ちゃん」
「できるだけだよ」
子供が、であるが他のこともであるのは言うまでもない。蜜は家では彼女本来の仕草のままなので夫も夢中になっているのだ。
「それはね」
「それじゃあ今夜も」
「一緒に寝ようね」
「そうしましょう」
二人で笑顔で話した、この時の蜜は普段の彼女だった。恐ろしいまでの美貌と色気は夫にだ
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