第三章
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快進撃を続けるソフトバンクの前にまた立ちはだかった者がいた、今度は只のエースではなかった。
投げて打つ、ソフトバンクの若き二刀流大谷翔平が来た。彼は打つ方も凄いが何といってもそのピッチングがだった。
「何だあいつは」
「一四七キロフォーク!?」
「そんなフォークあるか!」
「スピードガン壊れてるのか!」
まずはこのことを疑った。
「そんなフォークあるか!」
「どんなフォークだ!」
「伊良部でも一四三キロだったぞ!」
今は亡き伝説の速球投手でもというのだ。
「その伊良部以上か」
「何て奴なんだ」
「一六〇キロ普通に出すってのに」
「というか一六〇キロってダルビッシュやマー君以上だぞ」
「日本ハムの十一番は化けものか!?」
何処かの赤い彗星の様なことを言う者すら出た。
「あいつ何とかしろ!」
「あいつ打たないと何にもならないぞ!」
「まず一点取れ一点!」
「話はそれからだ!」
ファン達は必死に叫んだ、だが。
大谷のそのフォークと剛速球、一六〇キロを普通に超えるそれは打てる代物ではなかった。その速球もだ。
「一六五キロかよ」
「本当にスピードガン壊れてないか?」
「俺あんな球速はじめて見たぞ」
「俺もだよ」
「伊良部以上かよ」
「松坂顔負けだな」
「デビュー当時の寺原も目じゃないな」
その彼等ですらというのだ。
「あの尾崎や山口より上か?」
「昔の剛速球投手よりもな」
「まさかあんな奴が出て来るなんてな」
「澤村栄治でもあそこまで速くなかったんじゃないか?」
「スタルヒンでもな」
伝説の速球派投手達ですらというのだ。
「化けものを超えてるな」
「本当にな」
「まさかその化けものが敵になって出て来るとかな」
「しかもダルビッシュやマー君以上のな」
「どうしたらあんなの打てるんだ?」
「というかあいつ打つことも出来るしな」
「チート過ぎるだろ」
唖然とさえなっていた、そしてその大谷の前にソフトバンク打線は完全に沈黙した、彼が投げた時はいつもそうで。
結局ソフトバンクは何と十一・五ゲーム差をひっくり返されて日本ハムに優勝を許した、それでだった。
ソフトバンクファン達はがっくりと肩を落としてだ、こう話した。
「大谷に負けたな」
「あの化けものにな」
「化けもの過ぎるだろ」
「剛速球にフォークにな」
「しかも打つ奴にな」
「あいつ凄過ぎるだろ」
投打二刀流でしかもピッチャーの能力が恐ろし過ぎるというのだ。
「全然勝てる気がしなかった」
「あいつには特にな」
「冗談抜きでダルビッシュやマー君以上だぞ」
「あの二人がどっちもメジャーに行ったと思ったら」
それで安心していたらだ。
「それ以上の化けものが出て来たな」
「これまでで最強
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