第三章
[8]前話
「じゃあ大事にさせてもらうわね」
「そうしてくれたら嬉しいよ」
「用はこれだったのね」
「そうなんだ」
実際にというのだ。
「それで来てもらったんだ、呼び出して悪かったね」
「いえ、いいわ」
その辺りは気にしていなかった、私も。
「別にね、じゃあこれはね」
「うん、大事にしてくれるんだね」
「そうさせてもらうわ」
こう応えて自分の教室に戻って友達と一緒にお弁当を食べた、そしてだった。
家に帰ってからプレゼントの箱を開くとだ、奇麗な箱の中にだった。
手作りのブローチがあった、見るからに不器用そうに造られている。けれど丁寧に時間をかけて造られたのか色合いは派手で細かいところまでディテールが出来ている。
それでだ、私はそのブローチを貰ってからだった。
私は彼と真剣に交際する様になった、友達はそうなった私に微笑んで言ってきた。
「今は真面目ね」
「真面目に交際してるっていうのね」
「私が見る限りね」
「ええ、自分でもそう思うわ」
私もこう答えた。
「今はね」
「急にそうなったけれど」
「だってね」
「だって?」
「彼が凄く本気だから」
ブローチに私への想いがこれ以上になく出ていたからだ。その想いを受け取ったからこそだったのだ。
「私もね」
「本気になったの」
「そうなの」
「それでなのね」
「ええ、これからはね」
「真剣にお付き合いをするのね」
「そうするわ、もうね」
決めた、もう完全に。
「彼の気持ちに応えるわ」
「最初からそうすればよかったのよ」
「今はそう思うわ、あまりにも本気なら」
彼がそこまで私のことを想ってくれているならだ。
「応えないとね」
「それに気付いたらよかったわ」
「これまでは遊び、ジョークだったけれど」
「今は違うわね」
「本気よ」
私もそうなった。
「そうなったから」
「本気で彼と向かい合って」
「それでお付き合いするわ」
「そうしなさい、いいわね」
「そうしてくわ」
私は登校の時に彼女に応えた、そしてだった。
私は彼との時間も過ごした、真剣な彼の気持ちに応えて。そしてそれはとても楽しくて明るいことだった。
アイツはジョーク 完
2017・9・23
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ