継承のメモリーキューブ
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した3人の老人が浮かび上がってきた。
「あなた達は……?」
『我々は管理局最高評議会。次元世界を統べる者だ』
「最高評議会……?」
『貴様のことは我々も記憶、いや、記録している。月詠幻歌の歌姫、ファーヴニルを封印せしニダヴェリールの月下美人よ』
『こんな形でまみえようとは、不可思議な因縁もあったものだ』
「因縁? ……あぁ、今の一言で大体想像ついた。ずっと昔からあなた達が裏で糸を引いていたんだ。ニダヴェリールで闇の書の暴走が始まった時、管理局が来るのが妙に早かったのも、ニダヴェリールを管理世界化して魔導結晶を手に入れるため。それに連動してファーヴニルの封印を弱めたのも、絶対存在の力を得るためだった。いわば、あなた達はニダヴェリールの、アクーナの民の仇なんだ」
『……憎いか、我々が』
「ああ、憎いね。どんな事情があろうと許せないし、怒りのあまり我を忘れそうだ。大体、あなた達はどうしてそこまで力を求めてたの? そんなことをしなければ、ニダヴェリールが滅ぼされるようなことにはならなかったかもしれないのに」
『力を求める理由か、なら答えてやろう。我々は次元世界を存続させるために、己が人生全てを投げ打ってきた存在だ。かつて戦争によって疲弊していた次元世界を、自らの手で立て直すために……』
『平和を作り出すには力が必要だ、完全体の聖王のゆりかごのような。だがそれは失われてしまった、故にその代わりとして我々は何者であろうと圧倒できる、伝承に伝わる神の力を求めていた』
「神の力?」
『原初の魔導師が振るいし“神剣モナド”。次元世界全てのデバイスの祖となる武器であり、我々の知るデバイスは全て当時製作されたモナドの劣化コピーから派生したものだ』
『伝承によるとモナドは資格を持つ者が振るえば、全ての事象を思い通りに操ることができる。起こりえる全ての事態に先んじて対応できるほか、ファーヴニルのような絶対存在さえも凌駕できる力を得られる。まさしく最強のデバイスと言えるロストロギアで、今の情勢では銀河意思に対抗する切り札に成りえるのだ』
『それほどの力を求めたのも、全てはあの荒廃した世界を立て直すため。今度こそ完全な平和を手にするために、我々は管理局を設立した。世界の管理、ロストロギアの管理、全ては我々の正義の下で次元世界全てを安全な管理下に置くため』
『ヒトは尤もらしい理屈を“正義”と言い、理解できない行動を“悪”とみなす生物。故に我々はヒトに己が正義を行使できる場として、管理局は次元世界の守護者という役割を培った』
『だがヒトの中には、その在り方に反発を持つ者もいる。過去にこだわる者、プライドを守ろうとする者、変化を拒む者、全てを捨ててでも願いを叶えようとする者もいる。力を持つ者、持たざ
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