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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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車もよく見れば、私の時代の魔導列車の流れを汲んでいましたよ?』

「そうなの?」

『ええ。今の時代では元が同じだったことは忘れ去られたようですが、根本的なシステムは特に変わってはいないみたいです。当然ながら伝達中の消耗が減るように色々洗練されていますが……』

「要はレシプロ機とジェット機のような違いはあっても、飛行する原理は同じみたいなものか。……ん?」

明かりに照らされた線路の途中で、私は壁に奇妙な歪みを見つけた。触ってみるとまるで外から塗り固められたような感じで、他の部分と材質が違って少し脆かった。どうやら今回の襲撃の余波で、この先の何かを覆い隠していた壁が崩れかけたらしい。

「イクス、どう思う?」

『こんな辺鄙な所に隠している辺り、どうあっても見つからないようにしたかったんでしょうね。どこの誰の目から隠れているのかはわかりませんが』

「管理局がこれをやったなら、ロクでもない何かが隠されている可能性があるか……」

『行ってみます? 姿を隠すならここはうってつけだと思いますが。それに何らかの情報を得られるかもしれませんし、探索する価値はあると思います』

「セキュリティとかがあるかもしれないけど……そうなったら全力で逃げればいいか。じゃ、行ってみよう」

意を決した私は高周波を流した民主刀で一気に壁を斬り捨てて、隠されていた通路を露呈させた。ポッカリと開いたその通路はそこそこ長く、まるで地の底に続いてるようでもあっ……ッ!?

『ここで急にバックステップとは、一体どうしたんですか?』

「い、いや……なぜかわからないけど、そこの床を踏もうとした瞬間、すごい悪寒が走ったんだ」

『……? 一見、周りと同じで何の変哲もない床ですが……あ、でも“怖いもの知らずは信用してはならない”とガレアの帝王学で教わりましたし、ここは慎重にシャロンがなぜ恐怖を抱いたかを追求してみるべきでしょうね。試しにダンボール箱でも置いてみます?』

というわけでイクスの提案を受けた私はここに来る途中でまた拾っていたダンボール箱を、悪寒を感じた床の上に投げ入れてみた。

シュビビビビ!! ボッ!!

「……」

『……』

「……。……燃えたね、ダンボール」

『燃えましたね。一瞬で消し炭です』

「高圧電流の床かぁ。こんなのに気付けた私の勘も捨てたもんじゃないや」

『何もない上に暗くて長い道で高圧電流を仕掛けてくるなんて、相手も中々底意地が悪いですね。普通はわかりませんよ、これ。もし気付かず足を踏み入れてたら今頃どうなっていたか……』

「間違いなく感電死してるよ。骨とか見えるんじゃない?」

『ギャグ時空ならなぜか無事でも、リアルだと洒落になりませんよ。にしても今回のように、シャ
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