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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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ら……私は止まらないよ。

そういえば命の果実が成る木があった草原に、緑色の刀身の先端が割れたみたいで真ん中がリング状の奇妙な剣が刺さってたっけ。あの一帯にはギンヌンガ・ガプのモンスターが全然近寄らなかったし、魔力素の嵐によるダメージも受けずにいられた。あの剣にはドラゴンも魔力素の嵐も退くほどの守護の力があるのだろう。もしかしたらあの剣は命の果実の生る木をモンスターから守るために、あの場所に刺さってるのかもしれない。そう思った私は、あの神秘的な剣をそのままにしておいた。なんていうか、勝手に持ち去ってはならない雰囲気というか、そこにあるのが最も自然に感じたのだ。そもそも下手に持って行って、ファーヴニル事変みたいなとんでもない事態になったら取り返しがつかないわけだし。私は管理世界の人間のように、自分勝手な都合で何もかも強奪していくような人間にはなりたくないもの。

あと……帰り際にケイオスがなぜかお礼を言って、懐かしそうに剣と木を見ていた。彼はあの剣のことを何か知っているのかもしれない。でもわざわざ今聞き出す必要もないし、本人が話したくなったら聞いてあげるくらいの気持ちでいよう。


12月25日。

ついに薬が完成した。私や先生たちの努力の結晶、治すことにおいては究極に達した薬……オメガソル。名前は究極の太陽……どんな夜にも必ず朝が来るように、闇の中でも決して消えない輝き。即ち、曙光。そんな意味を込めて私が代表として名付けた。
そういえば、今日は面白いことに聖夜だ。私にとっても、アイツにとっても色んな意味で特別な日に完成したのは、何かしらの運命を感じる。なお、完成のために必要な最後の決め手になったのは、私のアクアソルだった。
いつの間にか先生達が組合を結成してたのは驚いたけど、次元世界版の医療組合を作るきっかけや、これまでの素材を用意した功労者に見合う功績として、先生達はオメガソルの製作者代表の座を私に譲ってくれた。彼ら曰く、この薬の作成に携われたことだけで十分らしい。

さて、私や先生、家族の皆が見守る中、この薬をラウラに飲ませたら、時間はかかったけどしっかり自力で起き上がれるぐらいにまで回復した。あれは嬉しかったな。皆の誰かを助けようとする努力が実ったんだから。

にしても……“組”と言えばシンの家も“組”だったか。家族の部下の黒服達に、「お嬢、ちわっす!!」なんて感じに頭下げられるようになった。そんな御大層な人間じゃないけどなぁ、私。

ところで回復してからようやく言葉を話せるようになったラウラと色々話してみたら、彼女、性格が中々に面白かった。親もアレだし、あの家はミルチアの今後に大きな影響を与えるかもしれない。次に会える時が楽しみだ。

〜〜〜〜〜〜〜

新暦67年、8月13日。

新しい依頼が来た。どうも
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