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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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血液の流れが良くなって脳とかが少し活性化したのかもしれないけど……。それはそれとしてシンは私がアクアソルを作った上に次元世界の各地を旅していると聞いて、妹を助けるために力を貸してほしい、と頼み込んできた。

家族全員で土下座してまで真摯にお願いされたら、無下に突っぱねるわけにもいかない。あんなことがあった後だけど、私はこの少女を助けようと思った。身体の障害を治すだけでなく、身体機能も出来るだけ復活させるための薬……素材の調達には慣れてるから、難しいけどやってみよう。


12月15日。

薬の調合、思ったようにはいかないものだ。今までたくさん学んできたつもりだけど、実際に活かすのはまた別の苦労がある。私一人で出来ることも限られてるし、ここは専門家達に意見を伺うべきだろう。別の世界に渡れる人間が、別の世界の専門家に意見を伺い、別の世界の素材を用い、別の世界の人間を救う、か。これもヒトとヒトを繋ぐきっかけになるのかな。


12月17日。

この日、神の手を持つと評判の薬調合の先生、世界中の植物の生体や採取場所を知る博士、伝説的とまで言われた医者などなど、私の出会ってきた専門家が一堂に介した。何というか……彼らの偉業を良く知る人がこの光景を見れば、泡を吹いて倒れるほど驚くかもしれない。それぐらい歴史的な光景なのだ。

そんな先生達を引き合わせた私は、彼らからこの素材が必要と言われたら私が取りに行き、この人の技術が必要になれば私がお願いしに行き、この道具が必要となれば私が調達しに行き、の繰り返しで目が回るどころか常に尻に火が付いてるぐらい忙しい。でも開発は順調のようで、戻ってくるたびに成果が良くなっているから、私も頑張ろうと思える。


12月22日。

今回、私は数日かけて人間が行くには過酷な場所へ素材を調達に行った。ミッドのブルームーン並みの濃い魔力素が竜巻のように吹き荒れているせいで、魔法がまともに使えないどころか、身体の内側からダメージを受けてしまうほどの秘境、ギンヌンガ・ガプ。巨大なドラゴンやワイバーン、ヒトさえも丸のみに出来る肉食植物が大量に生息しているその地に“命の果実”っていう果物が成る木が生えている。これまでその実を求めて足を踏み入れた冒険家は、そのほとんどがその地の生物の糧になったという。ごくわずかに帰ってこれた冒険家も、二度と行きたくない、定職で足の付いた安全な生活をする、という感じで大抵心が折れてるとのこと。

いやはや……よくあんな地獄に一番近い場所から帰ってこれたものだと思う。アギトとケイオスがいなければ今頃私は間違いなくドラゴンの腹の中だ。正直、私もしばらく大人しく引きこもろうかと考えた。でも、私は止まる訳にはいかない。私の目指す先には、シャロンがいる。進み続けていれば、きっとまた会える。だか
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