暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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クアットロは油断が過ぎる。私とトーレが一度出し抜かれたことがあるのを、もう忘れたのか」

「出し抜かれたって言っても4年前の話でしょう、チンク姉様? 大体、あの時の彼はもういないじゃない」

「ほう、つまり俺では彼に及ばないと? なめられたものだ!」

「いやぁ、別にアタシはなめてないっスよ? なめるのはお菓子ぐらいっス」

「あらあら、こっちのボードの子はまだまだ子供っぽいわねぇ。ねぇあなた、こっちに付いてくれたら今度マフィンとか御馳走してあげようか?」

「マジっすか!? じゃ、コッソリと……」

「ちょっとウェンディ!? 敵に懐柔されてるんじゃないわよ!?」

「冗談っスよ〜、真に受けないで欲しいっス〜♪」

「そもそも君達はなぜ俺達の邪魔をするんだ!?」

「答えは簡単、仕事だからだ」

トンネル内で4人の青タイツの女性と、私を一度捕縛したゼスト含む局員3人がいたのだが……見事に戦闘中だった。眼鏡をかけた茶髪の女性クアットロは特殊能力で味方の攻撃に幻影を混ぜることで翻弄し、赤に近いピンク髪の女性ウェンディは浮遊する機械のボードで、スバルとギンガによく似た女性局員の体術を防ぎ、見覚えのある男性局員は離れた位置から銃型デバイスで支援している。

一方でゼストと銀髪少女チンクの戦いは凄まじく、槍とナイフのリーチの差をナイフ投擲や、懐に潜り込んでCQCで翻弄するチンクに対し、ゼストは槍一本を超人的な豪腕で振るうことで悉く対応しきっていた。その構図を一言で表すなら、忍者と騎士の衝突だろう。私にとっては騎士の方が悪印象なのだが。

大体、私は“騎士”という存在に胡散臭さを感じている。別に物語に出てくる騎士を否定してる訳じゃないが、次元世界の騎士はむしろ殺し屋、暗殺者、詐欺師、嘘つきなどの負のイメージが強い。ぶっちゃけ、それも闇の書に植え付けられたトラウマが原因なんだけど。

「せっかく魔法が戻ってきたってのに、なんで人探しで襲撃を受ける羽目になるんだ……あ」

「あ」

偶然、ティーダとバッチリ目が合ってしまった。やっぱり彼は執務官らしく目が良いが、ここで発揮してほしくは無かった。

「隊長、彼女を見つけた!」

面倒なことに、発見フェイズに入った。最高評議会の権限もゾハル・エミュレーターを通じている以上、接続できるデバイスか端末が必要になる。つまり今の私では彼らの魔法を抑えることが出来ない。もしこのまま地上本部に連れ去られたら、交渉する間もなく私は彼らの人形にされてしまう。だから今は何とかして、この場を潜り抜ける必要がある。

ガキンッ!

「命令なら容赦なく撃ってくるんだ……一度は助けてくれた、あなたでも」

ティーダの弾丸を刀で弾いた私は、残念そうに彼の顔を見る。

「そん
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