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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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『こ、これって……管理局を権利上で乗っ取ったことになるんでしょうかねぇ? いわば影のトップの権限を手に入れた訳ですし……』

「こういうのは押し付けられたって言うんだよ! そもそも私、アウターヘブン社の身分もあるんだけど!? 地球でサバタさんに社員証発行してもらってたんだよ!? なのに両方の組織に関わるって、色々マズいでしょこれ!? っていうかよくよく思い返してみれば、あの電脳ミソ達、後人を育てるのが億劫になってただけなんじゃないの!?」

『せっかく手塩に掛けて育てた後人がいきなり殺されたせいで、また失うことばかり考えるようになったことから再び育てる気を失ったんでしょう。よくある話です』

「だけどこんな形でポンと最大権力もらっちゃうって、しかもマキナや家族の仇が所属してる敵対組織のトップのって!? 正直いらない!」

『う〜ん、でもいっそのこと本当に乗っ取っちゃえばいいんじゃないですか? だってほら、あのレジアス中将より上の権限を手に入れたんですし、彼にとってのダモクレスの剣にしておけば、今の犯罪者同然に追われるような状況を無くせると思いますよ』

「身を守りたいなら権力も武器にしろってこと?」

『はい。気に入らない者はいっそ除名してしまえばいいですし、そもそも今の世界の状況を鑑みるに、生きるためには組織を利用することも必要でしょう。少数の実力者でどうにかなるなら、ここまで追いつめられる前にあのエナジー使いの魔導師達だけで何とかなってるはずですし』

「強い個人に頼って勝てる状況は、とっくの昔に終わってるってわけか」

『ええ、管理局が個人の力に頼りすぎた結果が今なのです』

「イクスの言ってることは理解できる……考えてみれば今の私はいわば、“管理局の魔法を所有している”も同然だし、交渉とかで有効に活用するのが定石か。でも……そんなの私にはどうせ無……」

―――その言葉だけは使うな。

「あ……!? ご、ごめんなさいサバタさん! ……あ」

『シャロン? なんで急に謝ってるんですか? しかも誰もいない所に頭まで下げて』

「い、イクス……え、えっとね……その、今のはね……」

『私しか見てないんですから、恥ずかしがらないで大丈夫です。それより今の行動の理由を教えてほしいです』

「……え〜っと、私、サバタさんの所でお世話になってた時期があったんだけど、その時にサバタさんが必死に語学を勉強してたマテリアルズと私達に向けて、この言葉だけは絶対に口にするなと言われたんだ」

『それが、“どうせ無理”?』

「うん。サバタさん曰く“一番恐ろしい魔法の言葉”なんだって。どうやらどこかの受け売りらしいけど、この言葉は言うだけで成長の可能性を止めてしまう。たった一言で諦めさせてしまうか
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