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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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彼女を。だからこそ、我々はもう表舞台に立とうとは思わない。この老害となった精神と共に、歴史の闇に消え去るべきだと』

『だがその前に、せめてもの贖罪をしようと考えた。もはや我々の思想は歪みはてた、これ以上生きてしまえば、いずれ更なる悲劇を招く。ならばこそ、我々は余計な考えを抱く前に消滅しておくべきだ』

『だが我々はデュマのプロテクトのせいで、自らを消去することができない。そこの機器で操作しない限り、我々は永遠に残り続ける。……シャロン・クレケンスルーナ、要はそういうことなのだ。すまないが……正気を取り戻しているうちに我々を、消してもらいたい。頼む……我々には、ここまで来れた貴様にしか頼めないのだ』

「……。ここで他人任せか……はぁ、あなた達のやってきたことは決して許されることじゃない。本当ならもっとちゃんとした贖罪をするべきなんだと思う。でも……その精神の歪みをもう変えられないなら、贖罪をさせても意味はない。だから……残念だけど後は閻魔様に任せるしかないね」

これが彼らに残された最後の誠意である以上、無視するのは気がはばかられた。私は脅してくるようなら普通に拒否するけど、ちゃんと誠意をもって頼んでくれば無下にはしない。

私は電子機器のコンソールを操作し、『データをオールデリートしますか? Yes/No』の画面を展開する。

「じゃあね、正義の味方の残骸。もし永劫回帰かなんかで次の世界に生まれ直したなら、今よりまともな世界にしてね」

私の人差し指がYesのボタンを押した途端、最高評議会のデータが分解されていった。不思議な感覚だが、私には彼らの理念が何となく理解できていた。彼らは一度後世に託すことを選んでいたが、その機会を奪われてしまったせいで、余計な重荷を持ち続ける羽目になった。その重荷が彼らの限界を超えてしまっただけなのだ。

『感謝する。報酬として我々最高評議会の権限は、ゾハル・エミュレーターと共に貴様に移譲する。デュマが手にした権限はあくまで我々の次席、我々のものにまでは至っていない。故に我々が消失することでSOPのサーバーも、一時的に奴らの手から解放できるはずだ。だから貴様は再度サーバーを掌握される前に、ゾハル・エミュレーターを持ってブルームーンにあるサーバー本体に直接アクセスするのだ』

「は、はぁっ!? 最高評議会の権限!? ブルームーンってどこ!?」

『ククク、誇るがいい。今この瞬間から、貴様が次の管理局最高評議会だ。この世界の未来を託すぞ』

そう言い残し、彼らは完全に消去された。カプセルが開いてゾハル・エミュレーターが外れると同時にデータバンクの機能も停止して電子機器も動かなくなるが、私は私でそれどころではなかった。

「つ、次の最高評議会って……どぉいうことぉぉおおお!!!!???
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