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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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期を生き延びた者達が、その後始末や世直しをしていた。今後あのような戦乱が二度と起きないように、我々は管理局の母体となる組織を設立し、混沌と化していた次元世界に秩序を作り出していた。我々は各地の復興や援助などに力を注ぎ、人々の意思と力をまとめ上げることに尽力していた。長く、苦しい戦争が終わったことで、人々は新しい時代を、平和を生み出そうとしていたのだ。だが……そんな人達の前に、闇の書は突然現れた』

『苦しい戦乱の日々を耐え抜き、ようやく希望を掴み出した者達を、闇の書は容赦なく手にかけていった。ゴエティアはその無辜の者達を守るために、闇の書へ単身立ち向かった。聖王オリヴィエがゆりかごで戦乱を終わらせたことは有名だが、そのせいであの時代では実力のある者の多くが死に絶えており、闇の書と守護騎士を相手に渡り合えるのは、現場にいた者の中では彼女しかいなかったのだ』

「ん? なんでここに聖王が出てくるの?」

『聖王のゆりかご……あれは一種の終末兵器だ。ゆりかごの標的となった国家は全て焦土と化した。王も兵士も騎士も国民も、あれの前では等しく塵となっていった。そう、ゆりかごはベルカの世界が滅んだ原因の一つだったのだ』

『聖王教会がなぜ聖王を信仰しているかわかるか? あの宗教団体は元々、ゆりかごの力を目の当たりにした者が聖王を畏怖すべき対象とすることで、ゆりかごの標的から逃れるために設立したのだ。そう、正確には“教会”ではなく“恐会”であったわけだ』

『ゆりかごは力を持つ者をことごとく殺戮することで、結果的に戦乱を収めた。それを都合よく情報操作することで、現代に至る聖王信仰が構築された。だがあの地獄を作ったのは、中にいた聖王本人の意思なのか、それともゆりかごに自動殺戮システムのようなものが搭載されていたせいなのか、我々にはわからない。ただ確実なことは、あれを止めることが出来ていなければ、確実に地獄は広がっていたことだ』

「じゃあ、そんな化け物を誰が止めたの?」

『ヴィルフリッド・エレミアが生み出したギア・バーラーの中で最強と言われた存在、レメゲトン。彼がゆりかごを破壊したことで、ゆりかごの殺戮が止められたのだ。恐らく彼は、中にいた聖王の最期を知っている唯一の存在かもしれない。尤も、信仰対象を殺した事実を快く思わない者や、我々のようにゆりかごを失ったことで目論見が外れた者が彼の名を貶めたのだが……今では栓無きことか』

『話を戻すが、ゴエティアは闇の書のカウンターとして戦った。数年、数十年に渡る戦いを彼女は続けた。だが不老である彼女と違い、我々も人間だった。我々は肉体の老いもあり、そろそろ管理局と彼女のドライバーとしての役目を次の世代に託すべきかと考えていた。だが……我々が見込んだ若者達に管理局と次元世界の未来を託そうとしたその瞬間、
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