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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承のメモリーキューブ
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いないせいで起きてる?」

『あるいはループ毎に接触者が異なっている可能性もありますが、とにかく現状を受け入れられない何者かであることは確実です。故に、辛い現実を前にして過去をやり直したいと思うのではなく、過去の誘惑に負けない意思が大事なのです』

過去の誘惑に負けない……か。でも衝動的に思ってしまうことまでは、どんな人間でも防ぎようがないなぁ。

『さて……ここまで話を聞いたならもうわかるだろうが、我々が出来ることは何も無い。残っているのは精神と記憶、牢獄では無用の長物となっている権利のみだ。しかし世界を存続させたいという意思は、尚も強く保持している。故に……貴様に我々の全てを授けてやることにした』

「は? 全て?」

何やらとんでもない発言を聞いた次の瞬間、目の前の電子機器から小さな透明のカプセルが出てきて、中には持ち手になる部分が無い奇妙な形状をした金色の鍵が、やけに大事そうに入っていた。

「これは?」

『“ゾハル・エミュレーター”。オリジナルの我々が手にしたロストロギアの一つだが、正直な所、これの本質は我々にもわかっていない。判明しているのはメモリーカードのような情報端末であることと、デバイスやゴーレムなどといった無機物を修復し、強化する能力だ』

『なぜこんな代物がここにあるかというと、オリジナルの我々が昔ここでギア・バーラーについて調査や研究をしていたからだ』

ギア・バーラーとは、鉄腕王ヴィルフリッド・エレミアによって生み出された最強のゴーレムとのこと。しかし制御には様々な条件があり、一つは動力源になる核。属性は何でもいいから、とにかく強いエナジーが込められた物質を融合させる必要があるらしい。もう一つはドライバーという、精神面での核となる存在。つまり唯一無二の相棒が必要なんだとか。

『はるか昔……まだ肉体があった頃の我々は、とあるゴーレムを手に入れた。それがギア・バーラー、ゴエティア。長い年月を生きた我々が、生涯最も心を預けられた存在だ』

『彼女は世界を平和にする我々の理想のために、ありとあらゆる障害を打ち倒してくれた。あらゆる問題から我々を守ってくれた。あらゆる困難から我々を支えてくれた。今だから言えるが、我々は彼女が見ていてくれたおかげで道を見失わずにいたのだ。もしあの事件さえ無ければ、我々もそこまで非道には走らなかったかもしれない』

「あの事件?」

『貴様もよく知る……闇の書の暴走だ。最初にあの事件が起こった時代は一般的には古代ベルカ戦乱期とひとくくりにされているが、実際には第一次大戦期と、第二次大戦期がある。第97管理外世界地球で言う、第一次世界大戦と第二次世界大戦のようなものだ。そして事件が起きたのは、第二次大戦期が終焉を迎えた数年後のことだ』

『当時は二つの戦乱
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