継承のメモリーキューブ
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られた力はあまりに魅力的に映るらしいし」
「……というと?」
「今、ベルカではかつての栄華を取り戻そうとする脳ミソが筋肉な旧体制の騎士国家に対し、次元の壁を超えて複数の世界を一つの管理体制の下に統一するという、ぶっちゃけ夢物語じみたことをのたまう全く新しい組織を生み出そうとする動きがある。どっちも相手を倒そうと躍起になり、大いなる力を秘めた道具を集めたり改造したりしているんだが、その矛先がついにゆりかごにも向いた」
「……結構辛辣な言い方しますね、あなた」
「ゆりかごが暴走状態なのを承知の上で手に入れようとしているんだが、奴らは今のゆりかごの主……そう、あんたが邪魔だった。あの聖王がまだ生きていたこと自体が想定外らしいが、それを知ったら確実に動き出す者がいる。まぁ言わなくてもわかるだろうが、あえて答える……あんたの戦友だ」
「クラウス……?」
「そう、覇王クラウスに鉄腕王ヴィルフリッド、他にもいるらしいけど、名前忘れた」
「え〜名前忘れちゃったんですか……」
「いいだろ、別に。それならあんたは何十万もいる国民の名前を全員覚えられる?」
「うっ……流石にちょっと無理、ってそれはあまりに極端では?」
「話を戻す」
「あ、ずるい!」
「彼らは独自にあんたの救出に動いた。だが……奴らが一手先を行っていた。要するに、あと少しの所で捕まったんだ」
「捕まった……!? そんな馬鹿な、王の力を持つ者がそんな簡単に捕まるはずは……」
「国民を人質に取られた」
「っ……!」
「新型の大量破壊兵器アルカンシェルを首都に撃つとちらつかせてね。逆らえばシュトゥラを始めとした国、いや、ベルカの血筋全てが歴史から消え去ることになる」
「そ、そういうことだったんですか。確かに王には王たる責務がある……クロゼルグのこともあった以上、クラウス達も民を見捨てる真似は決して出来ません。王だからこその弱点を突かれた訳ですか……」
「ん、だから俺が来た。表向きは奴らの命令であんたを暗殺しに、本当はヴィルフリッドの最後の頼みを叶えに」
「最後の頼みって……その言い方から察するに、もしや……」
「ああ……毒だ。彼女の命は風前の灯火、間違いなく明日まで持たない。だからヴィルフリッドから、一つ策をもらってる」
「リッド……。そもそもあなたは、リッドとどういう関係なんですか?」
「創造主と被造物、ドライバーとギア・バーラー、マスターとゴーレム、そんな感じ」
「あぁ……おおよそ理解できました」
「なら話、進めていい?」
「ええ、どうぞ……」
「内容は単純だ、俺がこの艦をユニット含めて全部破壊する。奴らは俺があんただけ殺して、この艦の損傷を最低限に済ますと思い込
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