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天体の観測者 - 凍結 -
レーティングゲームV
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回顧する。
 今感じた寒気は自分が女性と仲良さげにしていた時にその女性が自分に向けてきたものと同じものだ。

「すー、すー。」

 ウィスは無意識にオーフィスを抱きしめる力を強める。
 珍しくもウィスは焦った様子を見せていた。







▽△▽△▽△▽△







 此処はライザー眷属の本拠地。

「…。」

 そんな中、ライザーは一人静かに瞳を閉じ、重々しく座していた。
 愛する眷属達が自分を除き全員がリタイアしたことはアナウンスによって既に知っている。

 自身の妹であるレイヴェルも先程自らリタイアした。
 初めから妹には期待などしていなかったが。

 対するグレモリー眷属は誰一人として脱落しておらず、此方は残るは己一人だ。
 何より自身の懐刀であるユーベルーナが撃破されたことに驚きを隠せない。
 誰がこの意外な結果を予想できたであろうか。
 



「…ようやく姿を現したか。遅すぎる到着だな、リアス。」

 背中からフェニックス特有の炎の翼を用いて宙に浮遊し、ライザーはリアスの遅すぎる到着を迎える。

 眼下のリアスの表情は前髪に隠れ、伺い知れない。
 リアスの傍には彼女の女王である朱乃と僧侶であるアーシアが佇んでいる。

「…ええ、そうね。」

 リアスの口から出るは簡潔な言葉。
 此方と問答に真面に応じるつもりはないようだ。

 だがライザーは一瞬たりとも気を抜くことはない。
 感じるのだ。

 10日前とは比較にならない程にリアスの実力が飛躍的に上昇していることに。
 一体どんな修行をしたのか。

 今のリアスから感じる魔力の高まりは自分にも迫る勢いだ。
 彼女の潜在能力は理解していた。
 伊達に現魔王サーゼクス・ルシファーの妹ではない。
 リアスは順調に悪魔として成長すれば最上級悪魔になる可能性を秘めているだろう。

 だがそれは今ではない。
 遥か未来の話だ。
 しかしどういうわけか眼前に佇むリアスは最上級とはいかずとも上級悪魔に相応しい実力を有している。

 想定外の事態だ。
 しかし…

「…だが分かっているはずだ、リアス。いくらお前が強くなろうと現時点のお前では俺を倒すことなどできん!」

 不死鳥としての炎を強く燃え上がらせ、ライザーはリアスを強く射抜く。
 周囲の温度は瞬く間に上昇し、ライザーの存在感を圧倒的なものしていく。

「…。」

 変わらずリアスはだんまりと黙り、依然としてライザーの問いに応えることはない。







「…いいえ、違うわ、ライザー。」

「何?」

 途端、この場に数人の影が空から降り立った。
 そう、リアスの眷属達だ。
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