レーティングゲームV
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の程度どうということもない。
「"ウィスさん"…?それは一体どなたですの?」
一誠達の口から出た"ウィス"という名前に難色の色を浮かべるレイヴェル・フェニックス。
「ウィスさんは僕達の師匠のような方だよ。彼のおかげで僕達はここまで強くなれたんだ。」
木場は誇らしげな様子を見せながら、剣の切っ先をレイヴェルへと向ける。
「…成程、そういうことでしたの。その"ウィスさん"と呼ばれる殿方がここまで貴方達を鍛え上げたと…。」
彼女の脳裏に浮かぶは先日オカルト研究部を訪れた際に見かけた一人の男性の姿。
自身の兄であるライザーに目もくれず呑気にケーキを頬ぼっていたのを覚えている。
あの時は何の力も持ち得ない唯の一般人だと早々に見切りを付け、侮っていた。
だがそれは自身の慢心から生み出された誤解であったようだ。
あの能天気な様子は此方を欺くためのフェイク。
あのお気楽な様子は全て此方を見向きもせず、相手にもしていない証拠に他ならない。
「どうやら私達は貴方方を侮り過ぎていたようですわね。運も実力のうちと言いますし…。このレーティングゲームは"ウィスさん"を味方に付けた貴方方の勝利に傾きそうですわね。」
彼女の口から放たれるは実質的な敗北宣言。
その口振りから自身の兄を気にも留める様子は皆無だ。
彼女は実に口元に愉し気な笑みを浮かべている。
「恐らく、彼のことだ。この試合の行く末も視えているのだろう。」
「確かに…。」
「あの人は文字通り次元が違うからなぁ…。」
一誠は乾いた笑みを浮かべる。
「それはそれは…、わたくし…、"ウィスさん"という殿方にますます興味が湧いてきましたわ…。」
レイヴェルはそのきめ細かな指を顎へと乗せ、笑みを深める。
どこか意味深な言葉を残しながら彼女は木場達へと背を見せ、空高く飛び立っていった。
「何だったんだ、彼女は…?」
「…恐らく、ウィスさんに興味を持ったのかと…。」
「おいおい、これ朱乃先輩大丈夫か?」
そんな彼女を地面から木場達が見詰めていた。
「…。」
「ど…どうしたの、朱乃?殺気立てているけど…?」
剣?な雰囲気を発する自身の女王にリアスは恐る恐る声を掛ける。
「いえ…、何か嫌な予感がしまして…。」
「そ…そう。」
今の彼女に余り関わらないことを決意し、リアスは足を進めた。
触らぬ神に祟りなしである。
「…!?」
突如、背中に感じる寒気。
久しく感じていなかった恐怖にも似た感情だ。
ウィスは懐かしくも、忘れがたいとある一人の女性との遣り取りを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ