雷神の子
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あっしが改めて礼を言うと、やっぱり笑って頬を掻く。こういうとこは年相応みたいで。
口だけの礼ばかりじゃこっちもいい意味で気が収まらないもんで、少年には菓子をふるまいやした。お代はとらないつもりでさぁ。好評だったみたいで、何度かお替りをしやした。
「やっぱり、嫌なことも沢山あったんでしょう?」
ふっと気になって、あっしは少年に聞きやした。人並外れてるってことは、それ相応に苦労も増えるもんでさぁ。
不死の比丘尼は、繰り返す死別に耐えられなくなった、という昔話も聞きやす。
「まあ何もないわけないよ。でもそれでいいんだって。人にないもの持ってるのがオレで、オレはオレなんだからさ、それを嫌がったら負けだと思うんだ……この大福、もういっこ貰ってもいい?」
変わってる、というより不思議な子供なんだなあと思いやした。全く顔色変えることなく、さらっと凄いことを言っていく。どうも嵐は面倒ごとばっかもってきたわけじゃなかったみたいで。
あ、因みに頭の蛇のことなんですがね、
「なんかわかんないけど懐かれてるだけ」
だそう。
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