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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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長閑で普通のハイキングコースを歩いているような山道を進んでいた俺。
特に魔物に遭遇することもなく、暖かい日差しを受けながら今度こそ平穏な異世界生活を堪能できそうだと楽観視していた。
だが、ここにきて少女の声と、魔物? らしきものに襲われている。
頭まで暗い赤いフードで覆われていて顔はよく見えないが、動きは鈍く、どうやら怪我か何かをしているらしい。
とはいえ、なかなか高い魔力を持っておりそこそこ戦闘慣れしているようだった。
そんな彼女に相対しているのは、灰色の石と肉で作られたゴーレムのようなものがいるが……これがこの世界の標準の魔物なのかもしれない。
ただあの肉体から沸き立つ黒い魔力は何だろうか?
以前いた世界の呪いとも呼ばれる魔王の魔力にも似ているが、あれのような意思は感じられない。
そう思いながら見ているとそこで炎をその魔物は噴き出す。
「きゃああっ!」
悲鳴が聞こえた。
どちらかというと、劣勢のようだった。
加勢すべきか。
俺は迷う。
まだこの世界で俺はそこまで実力を知られているわけではない。
だったら、このまま空気のように存在することで目立たずスローライフをできるのではないか?
前の世界の出来事は非常に大変だった。
だから穏やかに過ごしたいと俺は思う。
そんな躊躇している間に、商人らしき馬車がやってきて、彼女に築いたらしく護衛の人たちなどが加勢している。
魔法使いもいるらしく氷の魔法などを使っているようだ。
これだけの人数がいれば、俺が加勢しなくても大丈夫だろうと、罪悪感が薄れるのを俺が感じた。
その時だった。
ガァアアアアアア
耳障りな咆哮が響く。
あの魔物が叫んだらしい。
だがそれが合図となったかのように氷の魔法が先ほどの少女たちに降りかかる。
耳をふさぎたくなるような爆音と砂煙。
それが晴れた時に立っているのは少女一人だけだった。
思いのほか強い魔物のようだった。
彼女一人では荷が重いかもしれない。
だがそんな魔物を倒せる実力が俺にあると知れたらどうなるだろう?
ふと湧いて出た疑問に足が止まる。
自分自身では最低な自覚のある思考が浮かぶ。
だが戦闘というような命の危険を伴う場所に俺は戻りたくない。
そもそも俺は強制的にこの世界の呼ばれたのだ。
だから手助けする義理はない……ない、はず。
そこまで考えて俺は深くため息をついた。
俺は、自分自身の性格はよくわかっていた。
ここで彼女達を見捨てて、意識がこちらに向かないうちに逃げてしまうのも可能だろう。
けれど、前の世界で力の分からない時に、自分に力がないのを後悔したことがある。
そして今は、
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