暁 〜小説投稿サイト〜
転生×魔弾の王×萌えもん=カオス
十二本目
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
込んだ。

震える手で、閂をかける。

「(閂だけじゃ、直ぐに入られる…)」

ティッタは、クローゼットを開き、その一番下の戸棚を開けた。

そこから、大振りのナイフを取り出す。

辺りを見回し、壁に架かった弓を握る。

バルコニーへ出ようとした時。

扉が蹴破られた。

「もう追いかけっこは終わりか?」

男は部屋に踏み込みティッタが持っていたナイフを弾き飛ばした。

そうして、一閃。

鋒は、今度はティッタの胸元をかすった。

彼女は弓を抱き込み、胸元を隠す。

「ティグル様…」

「なんだ?お前畜生の分際で飼い主に想いをよせてでもいるのか?」

男が剣を…剣のようなポケモンをティッタに突きつける。

「こんな時に居ない主など、何になる?
お前は捨てられたんだよ」

ティッタは、男を真っ直ぐに睨み付ける。

「ティグル様は、ティグル様は…きっと来る!」

「勇ましい事だ。精々俺の下で喘ぎながら主人の名を呼ぶがいい」

男は、ティッタの肩を掴んだ。

彼女は、泣きそうになりながら、心の中で、ティグルの名を呼んだ。

唐突に、風が裂かれた。

続いて、鈍い音。

そして…

「っアアアアアァァァァァァァァ!?」

悲鳴。

ティッタが目を開けると、黒ずくめの男の手に矢が突き刺さっていた。

「ティッタ!」

そうして聞こえてきたのは愛しい主の声。

「ティグル様!」

ティグルは、オレンジの体に白い鬣の獣を走らせ、向かってくる。

「飛べ!ティッタ!」

彼女は、その言葉に従い、バルコニーの柵を飛び越えた。

だが、そこで、少年の駆る獣が、躓いた。

少年は、己の身を省みず、その小さな体躯を跳躍させた。

空中で、ティッタの体を抱き抱え、直ぐ様自分を下にする。

二人が、来る衝撃に強張らせるが、来たのは、優しく包み込む風だった。

「娘一人の為に無茶をするものだ全く」

辺りに響く凛とした声。

放ったのは、白銀の髪をなびかせる、戦乙女だった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ