暁 〜小説投稿サイト〜
異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
平穏なスローライフを
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こうして異世界に飛ばされた俺は、現在、土の香りがただ用草原の中を走る一本道に立っていた。
少し離れた場所からは森が見える。
そのさらに遠くには青みがかった山脈が見える。
人気のない森の奥の道に始め落とされてしまうのは、以前も経験したことがある。
それからしばらく歩いて行ったら、お城の人が迎えに来たのだが……。
「あの女神、プロセルピナの様子を見ている限り、世界の危機に瀕して急いで勇者を召喚した、といったわけではなさそうなんだよな」
そう俺は呟きながら周りを見回す。
風に運ばれてくる空気……魔力の気配を見る範囲では、前回の償還の陰惨さが感じられない。
周辺にも敵の現れる様子もない。
前回の召喚、あの時の戦闘の感覚がまだ俺の中に残っている。
だから今いる場所は現時点で安全だと分かる。
そういえばまだ様子がよく分かっていないようなことも、女神様は言っていたので、“平和”な状況なのかもしれない。
それに気づいた俺は一回頷いてから、
「これならば大変なことに巻き込まれず、ゆっくりとスローライフができるかもしれない。意味深なことを女神さまは言っていたが、余裕だな。……さて、そうするとまずはお金が必要か……この世界で生活しないといけないからな。この世界の生活がどんなものかは分からないが、売れそうなものは一通り見ていくか」
そう思って俺は、周囲にめぼしいものがあるかを探していく。
よく見てみると幾つか、自然結晶化した魔力の結晶たる“魔石”が見て取れる。
質もそこそこいいようだ。
ただここは通り道であるのか、よほど人里離れているのか、採りに来てはいないようだ。
「なかなか質のいい……これは土系統の魔石だな。自然のものよりも魔物の方が魔力能力されて純化されているから、そちらの方が前の世界では値段が高かったがこちらの世界ではどうか?」
この魔石を売ってしばらくスローライフに入る前の段階、この世界の状況の見極めと生活基盤をどうするかを考えないといけない。
これでどれくらい生活ができるだろうなと、少し歩いた先にある地面を掘り起こして出てきた魔石を手にチート能力を使う。
基準となる人間のいる村は直近でいいとして、物価なども簡単に見ていく。
「これなら三つくらい集めれば、一月程度は贅沢をしなければ宿に泊まれそうだ。……俺は大変なことはしたくない。だらだらと過ごす」
そう決意を新たに周辺にある魔石を掘り上げていく。
他に売れそうな薬草やキノコなどをいくつか手に入れる。
学校カバンの中にたまたま入れていた買い物袋用のエコバックにそれらを放り込んで俺は……道に戻ってきてからどちらに進もうかを迷った。
「……こういったときは木の枝がどちらに倒れるか
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