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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
守りたいもの
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九尾は、その巨体からは想像できないくらいに滑らかに動いた。
一尾の前よりも一際大きい練空弾をジャンプでかわす。つい、と着地し、一尾の巨大な尻尾の攻撃をかわしてから一尾へと飛び掛る。再び一尾が練空弾を放った。ガマブン太単体相手よりも更に本気を出しているらしく、発される練空弾は一撃一撃が前よりも強い。
ガマブン太とナルトの変化した九尾が長い尻尾を使い、木を根っこから掴み上げ、それを棍棒がわりに一尾へと殴りかかった。空中に飛び上がり、放たれた練空弾に向かって木を投げ捨てる。木が目の前で爆破し、木っ端を散らした。
九尾が一尾に飛びつき、その体を完全に押さえ、尖った牙を砂色の体につきたてる。と同時に変化がとけた。九本の尾をたらしたオレンジの狐はたちどころにガマブン太と化す。ガマブン太の頭上から飛び上がったナルトが影分身を作り出した。
 この絶好のチャンスを逃してはならない――絶対に我愛羅をたたき起こさなければ。今まで実践で試したことはなかったし、修行期間もたったの三日前後。失敗は許されないが、これでも使わないと確実に我愛羅を起こすには至らないと判断する。
 ナルトが右手を差し出し、影分身がその掌でチャクラを捏ねる。ぶおっ、と回転する球体のチャクラがその掌に生まれ、そして、我愛羅に激突した。

「螺旋丸――ッ!!」

 +

「らせんがぁん? なんだってばよ、それ?」

 リーと我愛羅が大規模な戦闘を起こして間もない頃。病室を訪れた自来也に、ナルトは水風船とゴムボールを渡された。

「今から伝授する術の名前じゃ――伝授とは言っても、わしはちょっと用事があって傍について指導とかは出来んわけじゃから、本来なら試行錯誤しつつ自分で探すべき術の秘訣もちょいと教えておくかの」

 四代目火影――天才と称された彼ですら完成には数年の時間を要した術・螺旋丸をナルトに習得させると自来也は言ったのだ。
 乱回転するチャクラの塊のコントロールは難しく、三日間修行して、結局ゴムボールを割って、両手を真っ赤に腫れ上がらせただけで更なる進歩はなかったが、今なら出来ると、本能的にそう感じた。そして今しかないとも、感じた。影分身を使って乱回転するチャクラを抑えようと考え付いたのは咄嗟の思いつきだが――

 ――何はともあれ、成功したらしい。
 我愛羅が目を覚ました。

 +

「だあっ!」

 マナとヒナタの体が日向宗家の床を転がった。哀れな彰子が悲鳴をあげつつめきめきと壊れてゆき、マナとヒナタは蹲った。がはっ、とヒナタが血を吐き、咳き込みながら丸まった。くそぉ、とマナは口の中に入った埃を吐き出して、砂忍を睨みつける。

「さっすが上忍、一筋縄じゃいかねえな……」
「ど、どうしよう……?」

 ヒナタの戸惑った声に、チッとマナは舌打ちを
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