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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
守りたいもの
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どうしよう。チャクラもない状況で、一体どうすればいいんだ。戸惑って振り返った視線の先に映る桜色。ぎゅう、と今尚砂に締め付けられ続けているサクラの姿が視界に映る。
 ――サクラちゃん……
 脳裏に浮かぶのはサスケの言葉だ。
 ――おい、ナルト。サクラはお前が意地でも助け出せ――
 唇を噛み締め、誓う。
 ――サクラちゃんは、絶対俺が守る……ッ!!
 その前にはまずこの化け狸をとめなければと我愛羅を振り返り、印を結ぶ。頼む、と。ちょっとでいいから、と。願う。守りたい人がいるから、少しでいいから。チャクラを。

「だぁあああああああああッ!」

 ごう、とナルトの臍から朱色のチャクラが燃え上がった。額宛てが弾け、足元の砂が弾け、服のジッパーが弾けるほどの勢い。ごうごうと、燃え盛るその赤に、我愛羅は思わず目を見開いた。

 +

「昔を思い出すな」
「ああ」
「猪鹿蝶トリオ、再結集……」

 ぽつり、と呟いた男は長い金髪を一つに束ね、緑の瞳を持った男――山中いのいち。
 いのいちに賛同を示したのは術によって回りの建物よりも巨大になった赤毛の男――秋道チョウザ。
 にやり、と笑みを零したのは黒い髪を束ね、いくつかの傷痕を顔につけた男――奈良シカク。

 それぞれいの、チョウジ、シカマルの父親たちであり先代猪鹿蝶である彼らは、木ノ葉を守る為に再び立ち上がっていた。

 +

「行くよ黒丸、ハナ!」
「おうっ!」
「了解ッ!」

 先頭をかけるこげ茶色の短髪の女性は名を犬塚ツメ、その傍をかける隻眼の黒く巨大な忍犬は黒丸、長いポニーテールを揺らしながらその後ろをかける女に、三匹の灰色の犬は犬塚ハナと灰丸三兄弟。
 彼女たちが女であるからと侮るなかれ。
 犬塚一族は基本、母系社会だ。
 犬塚に於いて、女子は最凶である。

 +

「大丈夫か、紅?」

 アスマが気遣わしげな声をかけた。くすり、と紅が笑みを零すのと同時、幻術にかかった音忍が屋根の上から墜落する。

「仮にもくノ一よ。そんなヤワじゃないわ」
「そうだ、な」

 アスマの風遁と砂忍の風遁がぶつかり、相手の砂忍が切り刻まれて屋根の上から落下していった。写輪眼を発動させたカカシが砂忍の腹に拳をのめりこませる。その背後から襲い掛かった音忍をガイが蹴り飛ばす。一瞬の隙を見逃さずに飛び掛ってきた砂忍は、ハッカの体当たりを受けて屋根から電柱へぶちあたった。

「大丈夫か、カカシ!?」
「ああ……ありがとう、ガイ、それにハッカ」
「あったりまえだッ」

 ガイの声にカカシがにこりと笑い、ハッカがクナイを砂忍の一人に突き刺す。
 弟子を危険な任務に出して心配なのは皆同じだ。
 けれど弟子がきっと任務を成功させて戻ってくると信じて
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