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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第257話 心の強さと素直な気持ちと……
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りする時間も勿体なく感じてて。……だからこそ、最初は演技でも良いから どかーんっとぶつかっていく様になったんだ。もしも、それで相手に嫌われちゃっても、それはそれで良いから。だって、それだけでもその人の気持ちの傍にいけたことには変わりないから」

 そう言って、ランとユウキは 其々アスナの手を握る。

「私は、アスナさんが弱いとはどうしても思えません。アスナさんが、レイナさんが。そしてリュウキさんが、……皆がぶつかってきてくれたから、私は皆さんと会う事が出来たんです」
「うん。だからさ。アスナはアスナの気持ちをそのままぶつけるだけで良いって思う。きっと、お母さんに伝わると思う。だって、ボク達のこと、全部預けられるって思ったのは、アスナ達が初めてなんdなからさ。……それも、アスナたちがぶつかってきてくれたから、なんだよ」

 アスナの目尻には涙が浮かんでいた。
 この世界ででは、涙を隠す事は出来ない。感情の機微まで読み取り、アバターとして形成された顔はその情報を表示する。……いや、機械的な言葉を言うのは止めよう。この世界ででは 気持ちははっきりと映す事が出来る。素のままの気持ちをきっとぶつける事が出来る。

「ありがとう……みんな」

 アスナは そっと目元を拭った。

 眼から零れ出た涙の粒子が宙に漂い……やがてレイナの前で瞬きながら消えた。

「お姉ちゃん。……私も、言うね。 自分の素直な気持ち。……お姉ちゃんにぶつけてみる」

 ニコリ……と笑うレイナの瞳にも同じ滴が存在した。
 流れ落ちる前にレイナは続ける。あの日――言えなかった言葉を。

 あの日は ただただ泣いてしまっていただけでだったから。


 だから、ここから始めよう。



「私は、お姉ちゃんの妹で良かった。……お姉ちゃんがいてくれたから、私は自分の心をぶつける事ができた。……お姉ちゃんが見守ってくれたから、ここまで来られた。……だから」


 レイナはそっとアスナの身体を抱きしめた。
 抱きしめたまま……、心からの素直な気持ちを姉へとぶつけた。








―――私のお姉ちゃんでいてくれて……、ありがとう。





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