暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第257話 心の強さと素直な気持ちと……
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がいっぱいだったレイナ。リュウキのおかげで少しだけ、落ち着いて考える事が出来た。だからこそ、姉のアスナの懊悩も朧げに見えてきたのだ。

 
―――それはあの日の事。


 母親に 姉の大切な人の事を言われた『あんな施設の子は含まれない』と言う言葉。完全に和人と言う人格まで否定をされた気持ちだった。レイナ自身がそう思ってしまったのだから、恋人である姉だったら、もっと悲しくて、苦しくて、そして何より辛かった筈なんだ。……そんな中ででも、姉はぎゅっと口を噤んでいた。ただ必死に耐えていた。

 でも レイナは……我慢できなかった。あの日、母に生まれて初めて反抗した。怒りではあるが、感情を思い切りぶつけた。


 自分がして―――姉は出来なかった(・・・・・・)んだ。


 それがきっと切欠の1つ。……分岐路だったんだとレイナは思えた。
その結果が、『やっぱり妹の方が自分よりも強い……』と、姉は心の何処かで強く思う事になったのだと。あの時は姉に配慮なんて出来なかった。決壊したダムの水の様に止める事が出来なかったから。

 でもレイナは同時に想う。

 あの時はただ、自分は暴走しただけ。そんな強いとは思えた事はないし、考えた事もない。……ただ、我慢が出来なかっただけで。それが強さなんて思ったりしてない。心を強く持って 耐え忍んだ姉こそが強く感じるし、今でも感じれた。あの日、支えてもらわなければ、自分は潰れていたかもしれないから。 


 それらが頭に浮かんできて ただただ否定の言葉を言いたかった。姉の方が強いと言いたかった。


「……こういう時、さ。言ってほしいのは 素直な気持ち……だと思う」
「え……?」


 リュウキが悩んでいるレイナに囁く様にそう言った。
 レイナはリュウキの方を見るが、リュウキはそのままアスナに向かって伝えた。自分が思ってる事を。

「少し恥ずかしいから、皆、ここだけの話にしてくれよ」

 そう伝えた後に少しだけ笑みを浮かべて言った。

「オレはさ。キリトに言われた事がある。ある世界でキリトに。……それはアスナと似た様な事だった。『強いな』って。 だから、以前言ったんだ。……オレは強くなんかないって。ただ、傍にいてくれるだけで力になるだけだって。―――自分も、お前と変わらないんだって」

 ははは、と苦笑いをしながら続けた。

「ランも言う様に、オレの答えもアスナが求めてる答えとは 違うかもしれない。強いと自分では思ってない。皆と何も変わらないって言うのがオレの答え。後、オレがただ――思うのは。オレも皆と同じくらい…… いや、負けないくらい思ってる」

 今度は、今度こそ本気で恥ずかしそうにしていた。ちょっと顔を背けてしまったから。


「……ただ、皆
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