暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第257話 心の強さと素直な気持ちと……
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ているユウキやラン。過去に苦しくて、悲しい経験をしてきたリュウキ。


 普段のアスナならきっと口にする事はなかったと思う。妹の前では特に……。いや きっとそうだ。


 アスナの言葉に、ユウキとランは戸惑いを隠す事が出来なかった。

 でも、アスナの心からの言葉だという事は判る。……そして、苦しんでいる事だって判る。だから、応えなければいけないと思えた。

「アスナさん。……アスナさんの望んでいる解答を出来るとは正直思えないのですが、それでも……言います。それが私は大切だと思うから」

 ランは 目を閉じて……言葉を繋げた。

「強さと言う言葉には、沢山の意味があると思います。……でも、どれをとっても、どう考えてみても。私は アスナさんが言う様な……。自分が強いとは思えないんです。……思ったことも、ありません」

 それは否定の言葉だった。嘘偽りない言葉なのだと、ランの姿を見て何処か納得できてしまった。それに続いてユウキも口にする。

「う、うん。ボクだってそうだよっ! その…… リュウキが凄すぎて、ちょっと感覚がアレになっちゃってるだけかも、って思っちゃうかもだけど……。うん。どう考えてもさ。ボクだって、強くないよ」

 リュウキが凄すぎて……と言った場面で、リュウキが口を挟みかけたが、ここはぐっと堪えた。アスナの答えを待つために。

 アスナは、そんな2人に少しだけ声の大きさを上げていった。

「そんな事ないっ! だって私はさ。人の顔色……ずっと窺ってきた。それに妹の、レイナの前では 私は強くあろう って、ずっと自分に言い聞かせて、……そうやってただ自分を誤魔化して、ただ自己暗示をさせてきただけ。……本当の私はただ怯えたり、尻込みだってしてる。でも、2人は。……レイも皆もそんなことしてないって思ってる。……すっごく自然に見えるから」

 アスナは、レイナの方も見る。目でごめんなさい……と言う様に。


「……だから、私は自分の母さんの声が聞こえない。向かい合って話しても、心が訊こえない。わたしの言葉も伝わらない。……レイだけ、なんだ。母さんの言葉をしっかり訊いて…… 言ってくれたのは。私は……心の強さが欲しい。どんな形ででも…… ちゃんと、伝わって、伝えて……いき、たいから」


 いつもは決して言わない言葉を噛みしめるレイナ。今の心境を……姉の心の内を今初めて言葉で訊いて、レイナはやはり動揺はしてしまう。
 だからこそ、直ぐに何か言おうとは出来なかった。……言葉が出てこなかったんだ。

 そんなレイナの肩をそっと抱き寄せるのはリュウキだった。

 ただのそれだけで、何かわかった感じがした。……隣にいてくれる人のおかげで自分は強くなれるんだとレイナは改めて思えた。色々な事で頭の中
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ