アイングラッド編
紅き剣閃編
Crimson Sword―紅蓮
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「……良い位置にあるポーンも時には捨てなければならないだろ?」
「…………」
「善処はするさ」
カランと飲み干したコップから音がした。
俺が戻ってくる条件として提示したのは2つ。
1つ、重役に就ける。
2つ、攻略組内の危険分子の排除に力を上げる。
結果として俺は再びギルドから消える手筈になっているが、それほど今の攻略組内の空気は険悪だ。
理由の1つにこの頃の攻略のモチベーションが下がり、効率が低下。プレイヤー間での優劣にこだわりはじめたことがある。
そこで、手始めとしてターゲットにわざと騒ぎを起こしてもってそれを皮切りにその他をあぶり出す。
それにおける犠牲もやむ無し、というのが2人の結論だった。
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翌日、55層のグランザム血盟騎士団の本部には機嫌が激悪の副団長様と新米幹部こと、俺がお留守番をしていた。
「……まったく、ゴドブリーったら……」
ぶちぶち……。
さっきから険悪なオーラを出している美少女にやれやれとため息をつき(同時に罪悪感を押し込めながら)、声を掛ける。
「そんなんだったらフィールドの門の前で待ってればいいじゃないか」
「……いいの?」
「何が」
「そのまま追いかけちゃうと思う!」
自信満々に言われてもねぇ……
まあ、いい。
「じゃ、追いかけよう」
「え?」
予定は変わるが、やつにも依存はないだろう。
シナリオが多少早まるだけだ。
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グランザム南広場
「前見ながら歩かないとぶつかるぞ」
「…………」
ギルドを出てからアスナはキリトを常時マップ追跡をしている。
やはり、あのクラディールが同行しているとあって不安らしい。
(そろそろか……)
そう思って背に刀を吊った途端、アスナが大きく目を見開き、コンマ数秒の内にフィールドに飛び出して行った。
「やっば………」
よく考えてみたら敏捷値は完全に向こうの方が上じゃん。
それでもその2秒後、俺は僅かに遅れながらも街を飛び出した。
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