アイングラッド編
紅き剣閃編
Crimson Sword―紅蓮
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メントだぞそれ……。
それはそうと、
「1つ訂正しとくが、俺はヒラじゃなくてフォワード部隊の総指揮官になったからな。幹部だ」
「何でだよ!?」
「誰が黎明期における血盟騎士団の前衛を一手に引き受けてたと思ってんだ」
「……コネだね」
「コネは使うためにあるんだ」
晩秋の昼下がり。気だるい光の中で、しばしの静寂が訪れる。
ふと、キリトの方を見ると目が合った。
その視線に込められた意志を感じ、俺は座っていた椅子から腰を上げた。
「じゃ、お2人さん。また明日な」
「うん」
「……ああ」
キリトが1人で向かい合い、彼女に話すと決めたのだ。
俺が世話を焼く場面じゃない。
下に降りるとエギルが何か言いたそうな顔をしていた。
「……その、何だ……あいつは……大丈夫なのか?」
「……わからん」
キリトの過去を知るエギルも不安なのだ。
あれからずっと傍にいた俺ですらあいつの心境にどのような変化があったのかわからないのだ。
それから、おどけた口調で言う。
「まあ、あれだ。後は愛の力を信じる、ってことで」
「ははは。お前にしちゃ随分とメルヘンな言い回しじゃないか、え?」
「うっせ」
そう言って苦笑いしながらエギルの店を後にした。
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アルゲート南エリア―通称、スラム
とはいっても別にオレンジプレイヤーが居るわけでもなく、少し柄の悪いNPCがいるだけだ。
そこにあるこじんまりとした、NPC喫茶店に入った。
「待ったか?」
「いや、今来たところだ」
待ち合わせの相手はヒースクリフ。相変わらずのポーカーフェイスで飲み物を口へ運んでいた。
他にプレイヤーはいない。
「悪かったな。急に無理難題なポジションに就けてもらって」
「以前から、君を帰属させようという意見が絶えなかったのさ。反対意見はほとんど無かったよ」
「ほとんど、ねえ?」
「易いものだよ。君が提案してくれた計画でギルド内の危険分子の排斥の準備が整った」
「所詮は、俺も駒の内。てね」
「戻ってきてもらって、いきなりビショップを失うのは手痛いが……」
「キングとクイーンに今消えられると困るわな」
「……関係のない者を巻き込まずには出来ないものか……」
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