第一章
[2]次話
大阪ラーメン
ラーメンの本場は何処から、鶴橋すずは自分が通っている中学校の自分のクラスできっぱりと言い切った。
「やっぱり大阪でしょ」
「大阪?」
「ここだっていうの」
「そう、大阪よ」
こう言い切るのだった。
「食べものは何でも大阪が一番でしょ」
「いや、ラーメンはね」
「流石に違うんじゃ」
「そうよね」
友人達はすずの絶対の自信に基づく言葉にどうかという顔になって言った。
「ラーメンは札幌?」
「あと福岡?」
「この二つが二強よね」
「大阪は麺類だとおうどんよね」
「それか焼きそばよ」
「だから言ったでしょ、食べものは何でもね」
すずは友人達の疑問の言葉にどうかという顔で返した。
「大阪が一番よ、東京なんてね」
「ああ、東京はね」
「あそこは駄目ね」
「それは私達も思うわ」
東京への対抗意識が出ていた、すずも友人達も大坂人としてその意識は強くそれで口々に言うのだった。
「東京のおうどん辛いし」
「味付け全般が変に濃いのよ」
「しかも高いし」
「あそこは問題外よ」
「そう、東京は論外にして」
そしてというのだ。
「ラーメンもね」
「大阪だっていうの」
「食べものは何でも一番で」
「ラーメンも然りっていうの」
「そうよ」
本当にというのだ。
「ラーメンだって」
「ううん、大阪にも美味しいラーメンあるけれど」
「それでもね」
「流石に札幌ラーメンと比べると」
「福岡の豚骨ラーメンともね」
「私どっちも食べたことあるわよ」
すずはその二つの地域のラーメンもと答えた。
「旅行でね」
「あっ、そうなの」
「サッポロも福岡も行ったことあるの」
「それでどっちのラーメンも食べたことあるの」
「そうなの」
「そうよ、食べたことあるけれど」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「どっちもなのね」
「大阪のラーメンには勝てない」
「そう言うの」
「言うわ、大阪はラーメンも本場よ」
またこう言うすずだった。
「どっちもラーメンも確かに美味しいけれど」
「それでもなのね」
「大阪のラーメンの方が上なの」
「そうなの」
「そう、本当にね」
またこう言ったすずだった。しかし。
友人達は流石に札幌や福岡のラーメンには勝てないと思っていた。どちらのラーメンも名物と豪語し日本全体に知られているからだ。
だがすずの言葉は変わらずだ、彼女はこう言ったのだった。
「勿論それをはっきり言える根拠はあるわよ」
「美味しいお店知ってるの」
「大阪にそうしたお店あるのね」
「ちゃんと」
「ええ、あるわ」
実際にとだ、すずは友人達に笑顔で答えた。
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