暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
1st season
8th night
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーションが停めてある。最近時々噂になっているあの2人組だろう。

「Fine Racing……あぁ、あのC1のチームか。首都高は楽しいかい?」
「とても。流石にR4Aや他の所には追いつけないですけど、楽しいです」
「それは良かった。もし気が向いたら、ウチの店にも顔を出してみるといい」
「是非。今日は頑張ってくださいね!」

 軽く手を挙げて答えると、彼らは興奮した様子のまま仲間と思しき集団に駆けていく。

「若いっていいねぇ……」

 なんて独りごちた後、自分自身も年代的には大して変わらない事に気付き、苦笑を漏らす。



 同日同時刻、大黒PA。謎の黒スーツの男に連れられて、グレーラビットはやってきた。

「……こんな日にこんなところに連れてきやがって、何のつもりだ?」
「もちろん、今できる最高の舞台を用意してあげたんですよ。今日、R4Aが売られた喧嘩を買うとのことですし、最高の相手じゃありませんか?」

 それを聞いたグレーラビットの視線が鋭くなる。

「……お前らもあのR35が目当てか?」
「標的の一人、と言っておきましょうか。うちにはメカはいますが、超高速域で戦えるドライバーがいないのでね。壁を破ろうとしていたあなたに声をかけたんです」
「それでこいつに乗れ、というわけか。あのMonsterを相手にするにはいささか時代遅れな気がするが」

 彼らの目の前にあったのは、黒のNSX−R。どこか異様な存在感が、グレーラビットを震えさせる。

「慣らしはうちのスタッフがすでに済ませてあります。今日結果を残せたなら、うちのデモカーになるでしょうね」
「勝てるのか?」
「あなた次第です。さぁ」

 青年はそう言い切ると、胸の裏ポケットからキーを取り出した。グレーラビットがそれを受け取るまでには、そう時間はかからなかった。

「……冗談じゃねぇ……どんなもんか、拝ませてもらうとするさ……」




 同時刻、箱崎PA。アメ車特有の低音、大排気量の為せる重厚なエキゾーストノートが響く。のっそりと現れたシルバーのマスタング、それにレッドラインが入ったダッジチャージャーとオレンジのシボレーカマロ。すぐに柴崎に気付き、R35に横付けする。

「……来たか」

 車両から降りてきたのは筋骨隆々な黒人3人。分かりやすいステレオタイプのアメリカンバッドボーイ。

「……お前がR4Aのドライバーか?」
「あぁ、R4Aの柴崎だ。今宵は御招待いただきありがとう」
「ふん、こんなヒョロヒョロのガキが最速だってな。この場所のレベルも知れたもんだぜ」
「こちとら一応カタギなんでね。そっちこそそれだけ無駄なウェイト積んでよく走る」
「口は達者みたいだな。だがそんなマシンで何が出来る?」

 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ