1st season
8th night
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ーションが停めてある。最近時々噂になっているあの2人組だろう。
「Fine Racing……あぁ、あのC1のチームか。首都高は楽しいかい?」
「とても。流石にR4Aや他の所には追いつけないですけど、楽しいです」
「それは良かった。もし気が向いたら、ウチの店にも顔を出してみるといい」
「是非。今日は頑張ってくださいね!」
軽く手を挙げて答えると、彼らは興奮した様子のまま仲間と思しき集団に駆けていく。
「若いっていいねぇ……」
なんて独りごちた後、自分自身も年代的には大して変わらない事に気付き、苦笑を漏らす。
同日同時刻、大黒PA。謎の黒スーツの男に連れられて、グレーラビットはやってきた。
「……こんな日にこんなところに連れてきやがって、何のつもりだ?」
「もちろん、今できる最高の舞台を用意してあげたんですよ。今日、R4Aが売られた喧嘩を買うとのことですし、最高の相手じゃありませんか?」
それを聞いたグレーラビットの視線が鋭くなる。
「……お前らもあのR35が目当てか?」
「標的の一人、と言っておきましょうか。うちにはメカはいますが、超高速域で戦えるドライバーがいないのでね。壁を破ろうとしていたあなたに声をかけたんです」
「それでこいつに乗れ、というわけか。あのMonsterを相手にするにはいささか時代遅れな気がするが」
彼らの目の前にあったのは、黒のNSX−R。どこか異様な存在感が、グレーラビットを震えさせる。
「慣らしはうちのスタッフがすでに済ませてあります。今日結果を残せたなら、うちのデモカーになるでしょうね」
「勝てるのか?」
「あなた次第です。さぁ」
青年はそう言い切ると、胸の裏ポケットからキーを取り出した。グレーラビットがそれを受け取るまでには、そう時間はかからなかった。
「……冗談じゃねぇ……どんなもんか、拝ませてもらうとするさ……」
同時刻、箱崎PA。アメ車特有の低音、大排気量の為せる重厚なエキゾーストノートが響く。のっそりと現れたシルバーのマスタング、それにレッドラインが入ったダッジチャージャーとオレンジのシボレーカマロ。すぐに柴崎に気付き、R35に横付けする。
「……来たか」
車両から降りてきたのは筋骨隆々な黒人3人。分かりやすいステレオタイプのアメリカンバッドボーイ。
「……お前がR4Aのドライバーか?」
「あぁ、R4Aの柴崎だ。今宵は御招待いただきありがとう」
「ふん、こんなヒョロヒョロのガキが最速だってな。この場所のレベルも知れたもんだぜ」
「こちとら一応カタギなんでね。そっちこそそれだけ無駄なウェイト積んでよく走る」
「口は達者みたいだな。だがそんなマシンで何が出来る?」
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