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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜槍の聖女流特訓法〜前篇
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「―――さてと、二人がこの場にいる理由の説明も終えましたし。そろそろ始めるとしましょう。――――まずはミハイル少佐以外の教官陣全員、前に出てください。」

「げげっ、いきなりかよ!?」

「ア、アハハ……何となくそんな事になるような気はしましたが……」

「ほう〜?まさか俺達達全員を相手にしなければならない”格上の存在”であるという自信があるとはな。ますます、面白くなってきたじゃねぇか!」

「うふふ、生徒達のちょうどいい”見本”の戦いができるといいんだけどね。」

「ううっ、多分わたしがリィン君達の足を引っ張って、一番早く無力化されるんだろうね……」

リアンヌ分校長に名指しされたランディは表情を引き攣らせ、セレーネは苦笑し、ランドロスとレンが興味ありげな表情を浮かべている中トワは疲れた表情で肩を落とした。

「………―――俺達も可能な限り分校長の攻撃に耐えて先輩を含めた後衛のメンバーをカバーしますので、先輩は後方からの指揮や援護をお願いします。1年半前の内戦での先輩の指揮能力はレン教官やセシリア教官も褒めていた程優れているのですから、例え相手が分校長であろうと通じるはずです。」

「リィン君………うん、任せて!」

しかしリィンに元気づけられたトワは目を丸くした後力強く頷いた。



「―――一つ言い忘れました。今回の”補習”はシュバルツァー教官とマーシルン教官はそれぞれに秘められている”力”の解放を、アルフヘイム教官は魔力による身体能力の強化、竜化並びに魔術の使用、そしてランドルフ教官は”戦場の叫び(ウォークライ)”並びにブレードライフルの使用を控えてもらいます。」

「へ………」

「あら………」

「待て待て待て……!何で俺達だけハンデ付きで戦わなくちゃならないんだよ!?俺達がアンタとまともにやりあうにはマジで全員”本気”にならないと、太刀打ちできねぇぞ!?」

それぞれの武装を構えてリアンヌ分校長と対峙したリィン達だったがリアンヌ分校長の口から出た予想外の指示にリィンは呆け、レンは目を丸くし、ランディは疲れた表情で反論した。

「―――先程言ったはずです。この”補習”は私や貴方方教官陣を含めた実力向上の為の”補習”であると。”戦場”は常に万全の状態で戦えるとは限らない事は教官陣の中で最も”実戦”の経験がある貴方なら一番理解しているのでは?」

「ぐっ………」

「た、確かに仰る通りですが………あ、あの……ちなみにわたくし達の勝利条件はどのような条件でしょう?」

しかしリアンヌ分校長の正論に反論できないランディは唸り声を上げ、セレーネは疲れた表情である事を訊ねた。

「―――10分、戦闘不能者を一名も出さずに耐えるだけです。―――貴方方ならば容易な条件でしょう?」

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