マシュの心象風景T
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アへと託すウィス。
自身が消滅してしまいそうになりながらも彼は笑っている。
─……ゲーティア、貴方もいつか知るでしょう。この世界は悲劇ばかりではなく、それ以上に喜劇に溢れていることを。そして貴方が無価値だと見捨てたこの世界は美しく、人の無限の可能性の輝きは未来へと繋がっているのだと…─
その言葉を最後にウィスから発せられた光の粒子が完全に霧散し、その存在を消失した。
これがウィスの旅路の終わり。
人類史と共に居続けた男の最後。
マシュは一瞬たりとも目を離すことができなかった。
そんなマシュの視界が暗転し、覚醒する兆候か意識が引っ張られる感覚がした。
だがマシュの意識が醒めることはなかった。
より深く、より深層へとマシュの意識は沈んでいく。
マシュ本人は一体自分の身に何が起きているのか理解することができなかった。
落ちていく最中マシュは深層に輝く光を見た。
周囲をよく見てみればダイヤとも呼ぶべき大小様々な大きさで輝く欠片が眩く光っている。
その一つ一つに絶えず様々な映像が流れ、その存在を強く表している。
ここでマシュは一つの仮説を立てた。
突拍子もなく、何の根拠も存在しない推測であったがマシュには確信にも似た思いがあった。
やがてマシュは眼下にて眩く輝いている光の下へと辿り着く。
視界は鮮明に、周囲もより明るく変化していた。
─声が聴こえる
─おのれ おのれ おのれ!─
─往生際が悪いぞ、ギル?─
─ウィスの言う通りだよ、ギル。素直に負けを認めたらどうだい?─
最古の王である黄金の王と彼の唯一無二の親友である泥人形との遣り取り。
やはり此処は……
─景色が移り変わる
─素晴らしいのだわ、ウィス!─
─この冥界より外の世界はこんなにも美しいものだなんて!─
─私の冥界がまるで楽園のようになってしまったわ!─
冥界にて冥界の女主人であるエレシュキガルと共に佇むウィスの姿が。
エレシュキガルは無邪気に子供のようにはしゃいでいる。
ウィスはそんな彼女を優し気に見守っている。
……やはりこれはウィスの記憶
─再び景色が変化する
─何故だ!?何故、我ではなくお前が!?罰せられるべきは我ではないか!?─
─君らしくもないよ、ギル?僕は所詮神に創られた泥人形、兵器に過ぎない。だから君が悲しむ必要はないんだよ?─
─これが悲しま
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