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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
マシュの心象風景T
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えましょう。貴方が知り得なかったソロモン王の最後の宝具を、10番目の指輪を─

 10番目の指輪のことはドクターから聞いている。
 本来ならば自分が遣うつもりであったのだと。

 だがドクターに代わりウィスがその宝具を発動した。
 やはりウィスは初めから全てを知っていたのだ。



 宙に回転しながらも浮遊するはソロモンの10番目の指輪。足元にはウィスから放出された膨大なエネルギーが溢れ、循環し、周囲を幻想的に照らし出している。

 そしてウィスは全てを終極へと誘う言葉を唱えた。





─『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの』─
 

─『戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの』─

  
─『訣別の時きたれり、其は世界を手放すもの』─
 





─駄目だ!ウィス、その宝具を遣っては!─

 必死にウィスを止めようとするドクターの絶叫が聴こえる。
 









──『アルス・ノヴァ』──










 七十二の魔神柱の自壊に伴う固有結界である「時間神殿ソロモン」の崩壊。
 全てが壊れ、終焉へと向かう。





─何故だ!?永遠の命を有しているお前が剰えそれを放棄する。何故よりにもよって我々の行いを否定するのだ!!?─

 理解できないとばかりに叫ぶゲーティア。










─……確かに貴方の言う通り人間は愚かな生き物です。幾度となく争いと数多の死を繰り返し、今なお世界で悲劇は続いています。人間は私利私欲にこの星を破壊し、幾度となく地上を血に染め上げてきました。─



─……だがそれが生きるということです。悲劇があるからこそ喜劇は意味のあるものになります。人は決して常に正しく生きることができない生き物です。故に未来ある明日へと繋げるために人は正しき道を求め、時には道を間違えようと定命という限られた時間の中で己にとって大切な者を見つけ、愛を知り、自分の人生を輝かしいものへと変えていきます─

 ウィスは応える。
 彼が長き人生にて得た答えを。



─終わりなき生は謂わば一種の呪いです。死という逃れられない運命に抗いながらも命有る限り前へ歩み続けること……。私はそこに人の無限の進化の可能性と輝きを見いだしました。それが4000年を超える年月を生きてきた私が導き出した答えです─

 ウィスはゲーティアの願望を否定する。
 終わりなき生命とは人類の救済などではないのだと。



─私の役目はここまです。……これでゲーティアの不死性は失われました。立香、マシュ、……貴方達の旅路が最後には喜劇で終わることを心より祈っています─

 全てをカルデ
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