第七話 タイムリミット
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モビルアーマーと呼ばれる人を殺す為だけの殺戮兵器。
そう、その筈だ。
アレは人を殺す為だけの機械。
その事実は変わらない。
だから……今は、そんな疑問は無視しろ。
「ジキールさん。
あのガンダムフレームのパイロットっと通信って出来る?」
「あ、ぁぁ。
出来なくは無いが……さっきから妙にエイハブ・ウェーブの濃度が濃くなっている。オープンチャンネルなら……なんとか」
「それで構わない。
オープンチャンネルで、アイツとコンタクトを取ってくれ」
「分かった」
ジキールは通信を試みる。
そして────ガガガっ。
────ガガガ……ガガガガっ。
エイハブ・ウェーブの影響で電波障害が発生していて通信もままらない。だが、このまま何もせずに見ているだけなのは嫌なんだ。
そして────────。
「だ、れ、だ?」
ノイズ混じりの声、あの男の声だ。
「俺は、暁・オーガス。
バルバトスのパイロットだ」
「しっ、ている」
「そう。なら話が早いや」
なんで俺の事を知っているか知らないけど今はどうでもいい。
「今すぐ、モビルアーマーを引き連れてここから離れてくれ。このままアンタらの戦闘が続けば被害は拡大するばかりだ」
倒せとは言わない。今すぐここから離れろとだけ伝えると。
「それは、無理な、相談だ」
「なんで?
アンタならアイツを誘導しながら戦うことも出来る筈だ」
「出来な、い、事、は、ない。
だが、そ、れ、なら、ここで倒、した、方、が、楽だ」
「んなの知るかよ。
今からここから離れろ」
「面倒、だ、な」
「巫山戯るな。アンタとモビルアーマーの戦闘で余計な被害が出ている。このままだと避難した皆も危ない」
「関係ない、な」
ガンダムフレームは止まらない。
俺との会話を続けながらも戦闘を続けている。
なんで、それだけの力を持っているのにここから離れてくれないんだ。
「どの道、こ、こ、か、ら……離れた────所で────ガガガッ────損害が、減る訳で、はない。俺は、俺の……や、り……たい、ように……するだけだ」
男の言っている事に、俺はすぐさま反論出来なかった。
ここから離れても被害は出る。
そうだ。俺もモビルアーマーとの戦闘でそう思っていた。
だが、俺と奴の違いは街を救う為にモビルアーマーと戦うのか。モビルアーマーを倒したいから倒すのか……。あの男は後者だ。
俺も、傍から見れば後者なのかも知れない。でも、今は倒す事なんかよりここから引き離す事が重要なんだ。
「離れろ……離れてくれ、」
「………………」
「ここは、俺の俺達の街なんだ。
だから頼む。ここから離れてくれ、」
切なる願いだ。
だ
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