第七話 タイムリミット
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バルバトスは動けない。
バルバトスは動きたい。
バルバトスは動きたい。
バルバトスは動けない。
バルバトスは動け……。
バルバトスは動か……。
バルバトスは動き……。
誰も居ない、バルバトスのコックピット。
画面上に映し出されたerror表示。
バルバトスは動けない。
バルバトスは動かない。
バルバトスは動きたい。
少しずつ……少しずつ……変化していく。
瞳の色は赤から緑、青から赤へと変色していく。
そして誰も居ない。誰も乗っていないバルバトスは少しずつ覚醒していく。
error表示は消えていく。
そしてバルバトスの両肩から『蒼炎』が噴き出した。
バチバチと火花のような音を放ちながらバルバトスは動き出す。
誰も乗っていないバルバトスは動き出す。
ゆっくりと。
ゆっくりと立ち上がる。
バルバトスには誰も乗っていない。
動き出す事は有り得ない。
バルバトスは歩き出す。
向かう先、視線の先は殲滅対象のモビルアーマーと自身と同型のガンダムフレーム。
バルバトスは歩き出す。
ゆっくりと歩き出す。
真紅の瞳を輝かせ────走り出す。
バルバトスには誰も乗っていない。
そう、誰も乗っていない。
バルバトスは走る。
バルバトスには誰も乗っていない。
バルバトスには誰も乗っていない。
バルバトスには誰も…………。
*********************************
体勢を低くし、しゃがみ込む。
視線の先、グレイズのメインモニターから映し出される映像にジキールは言葉を失っていた。
あぁ、グレイズの目からはこう見えてるのか。
両機の激突、モビルアーマーとガンダムフレームの戦闘はジキールの想像を絶するものだった。
ここまで間近で見れば怖気もする。
ガンダムフレームから繰り出される一撃はモビルアーマーの装甲を切り裂き、その余波は建造物を吹き飛ばす。
流石のモビルアーマーでも、あのガンダムフレームから繰り出される斬撃は驚異の対象なのか避ける事に専念している。
ガンダムフレームから繰り出される斬撃はモビルアーマーの装甲にダメージを与え、モビルアーマーは痛みに悶絶しているように見えた。
「何なんだ……アレは?」
ジキールも俺と同じ疑問を抱いている。
あのモビルアーマーは機械の筈だ。
それなのに何故だろうか。
俺達の目には、あのモビルアーマーが巨大な生き物に見えていた。
モビルアーマー……いや、機械ではなく一つの生命体に見えているのだ。
「私達は……一体、何と戦っているんだ?」
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