第七話 タイムリミット
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も、人の事は言えないのかもしれない。
モビルアーマーの戦闘中、俺は周囲の建物を利用し奴に近付いた。だから俺も傍から見れば奴と同じなのだろう。
「でも、それでも」
俺は、この街を救いたい。
この街を、火星を救いたいんだ。
「俺はアイツらを止める」
止める方法なんてない。
あの化物共の戦いに割り込めば死ぬのは目に見えている。
俺一人の力で、この状況を打破出来るなんて、そんな自惚れた事なんて思ってもいない。
でも、それでも────ただ、立ち止まって居るなんて出来ない。
だから俺は進むんだ。
片足の感覚は当の前に薄れ、体の隅々も傷だらけだ。
歩くことすらままならないこの状況でも俺は諦めない。アイツらを止める……その一心で足を無理矢理、動かす。
一歩。また一歩。
そしてまた一歩。
例え、足元に人間だった残骸が転がっていても関係ない。
例え、誰かの悲鳴が聞こえようと立ち止まらない。
今までも見捨ててきた。見捨ててきたんだ。今更、善人ぶって人助けなんてする気もない。
だが、俺は決して忘れない。
誰かの助けを求める声を絶対に忘れない。
助けられた命を無視して俺は進むんだ。
一歩。また一歩。そしてもう一歩と確実に距離を詰めていく。
「待て!」
ジキールのグレイズは俺の目の前に立ちはだかった。
「邪魔しないでくれ、」
「本当に、行くのか?」
「うん」
「何故、君は自分から死にに行こうとするんだ?」
「別に、死ぬつもりなんてないよ。ただ、俺はこの街を『火星』を護りたいんだ」
だから死ぬつもりなんて毛頭ない。生きて母さんとクーデリアの元へ帰るんだ。
「…………」
「だから、そこを通してくれ」
「……。……。……。」
返答はない。なら、自力でここを通る。ゆっくりとジキールのグレイズを通り過ぎる────その時だった。
グレイズの手の平が俺の目の前に差し出された。
「……?」
何のつもりだ?
俺は、グレイズのコクピットに振り返る。
するとジキールはグレイズのコックピットから軽快と降り、俺の目の前でやって来た。
「その足では日が暮れる。
私のグレイズに乗れ、」
「……は?」
「勿論、操縦するのは私だ。そして君の命は何としても守り抜く」
「いや、何を言ってるのか────」
解らない。と言おうとした直後、俺の体は宙に浮いた。
「何してんの?」
ジキールは俺を抱き抱えながら歩き出す。
「無駄口を叩くな。
今は1分1秒でも早く、あのモビルアーマーの元へ行くのが先決だ」
「いや、それはそうだけど」
なんで、アンタも一緒に来る流れになってんだ?
「私は軍人だ。そして、君と同じく、この街を火星を護りた
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