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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第三の牙
第七話 タイムリミット
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 バルバトスは動かない。
 
 「分かった」
 
 それなら、それでいい。
 「俺は、アイツらを止める」
 バルバトスのコックピットを強制的に開かせる。
 「お前はここで見てろ」
 ここからは俺の戦いだ。
 
 
 
 走る。
 モビルアーマーとガンダムフレームの元へ走る。
 左足の包帯、邪魔だ。引きちぎって捨てる。
 そして、走った。
 左足の感覚は無くなっていた。
 痛覚に慣れた。いや、放置し過ぎた。このままだと使い物にならなくなるとユージンは言っていた。まぁ、今は動くからこれでいい。
 でも、足を動かす感覚が無いのはちょっと気持ち悪いな。
 走っていても、左足だけ走った感覚がない。
 右足は走っている感覚。
 地面に足が付いている感覚は確かにあった。
 「凄いなぁ……」
 目の前で繰り広げられる激戦。
 モビルアーマーとガンダムフレームの戦闘はとても機械同士のものとは思えなかった。
 人じゃない。機械でもない。強いて言うなら『悪魔』か。両者の戦闘は周りの建物を破壊する。
 両手の戦闘の余波は凄まじい。
 ガンダムフレームの斬撃はビルを裂き、モビルアーマーの一撃は大地を割る。
 アレは危険だ。
 このまま続ければ街は崩壊する。
 止めなければならない。
 でも、どうやって?
 バルバトスは動かなくなった。だからこうやってなんとか走ってアイツらの元まで走ってるけど……その後はどうすればいい?
 俺は、どうやってアイツらを止める?
 どうやって皆を救えばいいんだ?
 止めなければならない。
 見捨ててきた人達の為にも、俺は止めなければならない。
 でも、どうすればいい。俺はどうすればいいんだ?
 「まぁ、今は走るか」
 今すべき事は今すべきだ。バルバトスが使えないなら他の策を考えればいい。どちらにせよ、アイツを止めなければこの街は崩壊する。なら、最終目的はアイツを倒すことだ。少しでも近付いて、倒す方法を模索するんだ。
 「おい、そこの少年!」
 突如、空からグレイズが降ってきた。
 グレイズのパイロット、この声は……えっと、名前は確か……。
 「ジキールさん……だっけ?」
 「な。何故、私の名前を?」
 「俺だよ。バルバトスのパイロット、」
 そっか。通信の時に少し会話してたけど面と向かって……いや、この絵面だとモビルスーツ越しで会話してるな。まぁ、どちらにせよ。ジキールは俺の顔を知ら
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