第七話 タイムリミット
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「────バルバトス?」
バルバトスの瞳、メインカメラはモビルアーマーだけを見つめていた。
あれ、バルバトス?
バルバトスは動かなくなった。
全く、言うことを利かなくなった。
「バルバトス?」
リンカーシステムの不具合か?
いや、モビルスーツとのリンクは切れていない。バルバトスも異常は────────あった。
バルバトスの動力、ツインリアクターのリミッターが解除されていた。
まさか、これが原因で動けない?
目を閉じ、バルバトスの内部システムにアクセスする。
リンカーシステムを通じ、バルバトスの制御プログラムにアクセス。
error。error。error。
バルバトスの制御管理システムにアクセス出来ない?
どうして……さっきまで入れたのに。
「これじゃ……動かせない」
目の前で繰り広げられている激戦。
モビルアーマーとガンダムフレームの対決は熾烈を極める。
「止めろ」
あの二機の戦闘は凄まじかった。
モビルアーマーの一撃はコンクリートの地面を易々と砕き、モビルアーマーが動く度に被害は拡大していく。
ガンダムフレームは、被害の事なんてどうでもいいと思っているのだろう。ただ、平然とモビルアーマーと対峙していた。正義の味方気取り……でも、アイツの力は俺なんかよりも凄くて圧倒的だ。このままアイツに任せればモビルアーマーを倒してくれるだろう。
でも、今のままじゃ駄目だ。
「バルバトス、動いてくれ」
再び、バルバトスに問い掛ける。
「お願いだ、動いてくれ」
バルバトスは動かない。
「このままだと、アイツらはもっと被害を出す。だから、動いてくれ」
バルバトスは動かない。
「バルバトス、」
バルバトスは動かない。
「頼む。お前の力を貸してくれ」
バルバトスは、動かない。
「あのガンダムフレームは、モビルアーマーを倒そうとしている。
でも、倒すだけじゃ駄目なんだ。俺は皆を救いたいんだ。アイツはモビルアーマー倒そうとしている、それだけだ。この街の事なんてどうとも思っていない。このままアイツらを戦わせたら被害はもっと酷くなる。頼むよ。
今、アイツらを止められるのはお前だけなんだ。だから、動いてくれ。」
バルバトスは、動かない。
「バルバトス……」
バルバトスは、動かない。
「お願いだ。
動いてくれ」
バルバトスは……動かない。
「お前は、モビルアーマーを倒す為に造られた兵器なんだろ?
お前の目的は目の前だ。アイツは倒すべき敵なんだろ?」
バルバトスは動かない。
「なんで、なんでだよ」
バルバトスは応えない。
……。
………。
……。
────。
───────。
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