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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第三の牙
第七話 タイムリミット
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 「────バルバトス?」
 
 バルバトスの瞳、メインカメラはモビルアーマーだけを見つめていた。
 あれ、バルバトス?
 バルバトスは動かなくなった。
 全く、言うことを利かなくなった。
 「バルバトス?」
 リンカーシステムの不具合か?
 いや、モビルスーツとのリンクは切れていない。バルバトスも異常は────────あった。
 バルバトスの動力、ツインリアクターのリミッターが解除されていた。
 まさか、これが原因で動けない?
 目を閉じ、バルバトスの内部システムにアクセスする。
 リンカーシステムを通じ、バルバトスの制御プログラムにアクセス。
 error。error。error。
 バルバトスの制御管理システムにアクセス出来ない?
 どうして……さっきまで入れたのに。
 「これじゃ……動かせない」
 目の前で繰り広げられている激戦。
 モビルアーマーとガンダムフレームの対決は熾烈を極める。
 「止めろ」
 あの二機の戦闘は凄まじかった。
 モビルアーマーの一撃はコンクリートの地面を易々と砕き、モビルアーマーが動く度に被害は拡大していく。
 ガンダムフレームは、被害の事なんてどうでもいいと思っているのだろう。ただ、平然とモビルアーマーと対峙していた。正義の味方気取り……でも、アイツの力は俺なんかよりも凄くて圧倒的だ。このままアイツに任せればモビルアーマーを倒してくれるだろう。
 でも、今のままじゃ駄目だ。
 「バルバトス、動いてくれ」
 再び、バルバトスに問い掛ける。
 「お願いだ、動いてくれ」
 バルバトスは動かない。
 「このままだと、アイツらはもっと被害を出す。だから、動いてくれ」
 バルバトスは動かない。
 「バルバトス、」
 バルバトスは動かない。
 「頼む。お前の力を貸してくれ」
 バルバトスは、動かない。
 「あのガンダムフレームは、モビルアーマーを倒そうとしている。
 でも、倒すだけじゃ駄目なんだ。俺は皆を救いたいんだ。アイツはモビルアーマー倒そうとしている、それだけだ。この街の事なんてどうとも思っていない。このままアイツらを戦わせたら被害はもっと酷くなる。頼むよ。
 今、アイツらを止められるのはお前だけなんだ。だから、動いてくれ。」
 バルバトスは、動かない。
 「バルバトス……」
 バルバトスは、動かない。
 「お願いだ。
 動いてくれ」
 バルバトスは……動かない。
 「お前は、モビルアーマーを倒す為に造られた兵器なんだろ?
 お前の目的は目の前だ。アイツは倒すべき敵なんだろ?」
 バルバトスは動かない。
 「なんで、なんでだよ」
 バルバトスは応えない。
 ……。
 ………。
 ……。
 ────。
 ───────。
 
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