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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第40話 暗躍する影
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だか。まあ今は我慢ね。


「因みに犯人は一体誰だったのかね?」
「市長さんが想像してる通りの人物ね」
「そうか……非常に残念だよ。いつか彼らも更生させることができると思っていたのだが、単なる思い上がりにすぎなかったようだな」
「あれ?市長さんは誰だと思ったの?」
「誰って、それはレイヴンの連中に決まっているじゃないか。少し前から行方も眩ませていると聞くし彼らで間違いないだろう?」


 ダルモア市長は本気でそう思っているように答えた。まああんたたちの描いていたシナリオ通りならそう答えるわよね。


「いえ、彼らは犯人ではありませんでした。むしろ今回に限っては被害者とも言えるでしょうね」
「な、なに!?」
「今回の事件の犯人……それはあなたの秘書のギルバードさんだったわ」
「ま、まさか……!?そんな……彼がそんなことを……」
「残念ですが彼は実行犯と内通しているところを発見して現行犯で逮捕しました」


 ヨシュアがそう言うとダルモア市長はショックを受けたかのように顔を伏せた。


「そんな……彼が何故そんなことを……」
「ギルバードさんは実行犯に裏切られて足を撃たれたショックで気を失っています。後日彼が目を覚ました時に詳しい事情を聴くつもりです」
「そうか……残念だ」


 よし、ダルモア市長は自分が黒幕だってバレてはいないと思ってるわね。これなら王国軍が来るまで時間が稼げそうね。


「情けないな」


 急に知らない声が聞こえたと思ったら窓際に誰かが立っていた。仮面を被っていて顔は分からないがその見た目はあの黒装束の奴らによく似ていた。


「あ、あんたは誰よ!?」
「お前は……」
「無様だな、ダルモア。そいつらはお前が黒幕なのはもう知っている。王国軍にも連絡がいっているから連中がここに来るまでそうかからないだろう」
「な、なんだと!?」


 しまった、ダルモアにバレちゃったわ!


「だが俺はお前を助けに来た訳ではない」
「な、なに!?」
「お前がこいつらを口封じ出来れば後の事は何とかしてやろう。故に自らで何とかしてみるんだな」


 仮面の男はそう言うと魔法陣みたいなものを地面に出して消えてしまった。


「き、消えちゃった……」
「ぐぐ……こ、こうなったら後のことなど知ったことか!」


 ダルモアはそう言うと後ろにある壁からスイッチを出してそれを押す。すると壁の一部がずれてそこから狼のような大型魔獣が2体現れた。


「ファンゴ!ブロンコ!エサの時間だぞ!」
「ま、魔獣!?」
「信じられない……魔獣まで飼っているなんて」
「何とでも言え!お前らさえいなくなれば後はあの人が何とかしてくれるだろう!ひゃーはっはっは!!」
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