猫娘と雄英体育祭編
NO.027 衝突する出久と轟
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を鍛えてくれた人に……自慢できるように期待に応えたいんだ!
でも、轟君は半分の力で全力を出さないで一番になろうとしているのはダメだと思う。完全否定なんてしちゃダメなんだ!」
「うるせぇ! 俺は親父の個性なんて―――……!」
「違うよ! 確かに轟君の個性はエンデヴァーから引き継いだものなのかもしれない。それでも! もうその力は轟君自身の力じゃないか!!」
その出久の叫びに、込められた気持ちに……轟は今まで忘れてしまっていた過去のとある光景を思い出した。
何度もエンデヴァーに修行と称して無茶苦茶やらされて、鍛錬が終わればいつも母のもとへと泣きついていた頃だった。
その時、ちょうどオールマイトの特集がやっていた。
母は轟少年にこう言った。
『でも、ヒーローにはなりたいんでしょ? いいのよ、血に囚われることはなくなりたい自分になったって……』
さらには特番でオールマイトはこう言っていた。
『―――個性というものは親から子へと引き継がれていくものです。ですが大事なのは血ではなくその繋がり……自分の血肉であり、そして自分であるという照明の証……。ですから私は自分に言い聞かせるようにそういう意味も込めていつもこう言ってます。
私が来た!
てね』
轟がいつの間にか忘れてしまっていた情景、それがトリガーとなって、次の瞬間には吹き上がる炎。
そう、轟は左の炎を使っていたのだ。
「俺だって……ヒーローになりたいんだ!!」
そんな光景を目の当たりにした出久は笑みを浮かべながら、
「やっと、気づけたんだね……」
と、まるで慈愛の様な眼差しを自分の事のように嬉しそうに轟に向けていた。
その出久の表情に轟は内心で心動かされるものがあったが、もう今は感情に付き従うだけだ。
外野でなにかしらエンデヴァーが叫び声を上げているが二人には今は届いていないだろう。
「敵に塩を送ったんだから……お前も本気を出せよ?」
「うん!」
出久は全個性を総動員して力を溜める。
轟も全力で振るえるようになった氷を展開していき、左手には炎を宿す。
そして二人は同時にぶつかり合う!
轟の炎の波が迫ってくる中、出久は微かに聞いた。『緑谷、ありがとな』と……。
大量の氷の波が一気に熱で溶けてステージは爆発でも起きたかのように、いや、実際ステージは爆発して衝撃が爆風とともに会場中に広がっていった。
「きゃぁあああああああ!」
「どうなってますの!」
「なにこれぇえええええええ!」
と、ほとんどの人達がその爆風に晒されていたが、次第に収まっていく中で、
『なに、いまの……お前のクラスなんなの?』
『今までさんざんに冷やされた空気が二人の炎の力で熱せられて一気に膨張したんだ』
『それでこの爆風
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