レーティングゲームU
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の力を過信しました。彼は平時の無駄な思考を続け、延々と益体の無い妄想に耽るだけでした。」
「勝利の渇望の放棄。思考の忘却。」
「即ち、それは紛れもない『慢心』です。」
「ですがこれは祝うべきことです。ライザーはついに『挫折』の何たるかを理解することになるのですから。」
オカルト研究部で出会った当初からウィスはライザーが自身のフェニックスの力を絶対視し、慢心していることに気付いていた。
「私もオーフィスと同じく長生きですからね。娯楽に飢えているんですよ。」
そう、ただ自分は両者の闘いの行方を少しだけ酒の肴にし、愉しませてもらうだけである。
「…『娯楽』、即ちそれは『愉悦』です。」
とある黄金の王と酒を酌み交わしたあの頃が今では懐かしい。
「…愉悦…?」
オーフィスはウィスの言葉を分からないとばかりに反芻する。
「私の妹であるリアスの人生を賭けたレーティングゲームを酒の肴にするのはよしてほしいのだがね、ウィス?」
我慢ならないとばかりに隣に座していたサーゼクスが鋭い視線を此方へと飛ばしてくる。
背後からも敵意を内包した視線が。
「『悦』を狭義に捉えるのは早計ですよ?」
だがウィスは動じない。
「ライザーがこのゲームで味わうことになるであろう苦悩と痛み、挫折を『悦』とすることに、何の矛盾があるというのですか?愉悦の在り方に定型などありません。それが解せないがゆえに迷うのですよ、お二人は。」
ウィスはサーゼクスとグレイフィアとの間に存在する誤解をひも解いていくように優しく語りかける。
『愉悦』の何たるかを。
「『慢心』していたがゆえにライザーは挫折を味わい、フェニックスの力を絶対視していたがゆえにリアスに足元掬われることになるんですよ。」
己の力に酔い、慢心していた者が地に伏す瞬間は実に爽快な気分だ。
そのライザーを崩すのが自身が鍛えたリアス達ならばなおさら気分が高揚するというもの。
だがこれはリアスとライザーの両者にとって人生の転機となるだろう。
良い意味でも、悪い意味でも。
「それに私には既にこのレーティングゲームの勝敗は見えています。」
「この戦い、リアス達の勝利です。」
▽△▽△▽△▽△
駒王学園の体育館。
今此処ではリアス・グレモリーの眷属である『兵士』の一誠と『戦車』の小猫が佇んでいた。
対するはライザー・フェニックスの眷属である『戦車』の雪蘭と『兵士』であるミラ、イルとネルの4人が相手である。
だが戦況は終始一誠と小猫の2人に優位な状況で進んでいた。
確か
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