最終章:夢を追い続けて
第69話「天才の姉、努力の妹」
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然、束の方が押している。
だが、時たま放たれる属性を宿していない斬撃が、束の攻撃を弾いていた。
「っ、ちぃっ……!」
「(危ない……!)はっ!」
「ぐっ……!」
ブレードを弾いた事で作った隙を突き、箒は貫手を放つ。
だが、それはギリギリで躱され、代わりの反撃である回し蹴りを手で受け止めた。
「ッ……!ぁあっ!!」
「っ!?」
ギィイイン!!
後退する所を、箒は無理矢理前へ踏み込み、ブレードを振るう。
追撃しようとしていた束に、必要以上に接近したため、互いに全力の一撃にはならず、お互いに体勢を崩す事になる。
「っ、まだだ!!」
「嘘っ!?」
ギィイイン!!
お互い体勢を崩したため、体勢を立て直そうとする。
だが、箒はさらに前に出るように足を踏み出し、ブレードを振るった。
そこまでごり押してくるのは束にも予想外で、充分に“土”の力を振るえずに攻撃を受ける事となった。
「っづ、ぁ、あっ!?」
そして、そのまま箒に押し負け、壁に叩きつけられるように吹き飛んだ。
「さら、に、鋭く……!?」
疲労が溜まり、ダメージも溜まり、何よりも万全の体勢じゃなかった。
だが、それにも関わらず、箒が放った一撃は、さらに鋭く、重くなっていた。
「ふ、ふふ……」
「………」
壁に追い込まれた束は、笑みを漏らす。
それに対し、箒は無闇に攻めずに様子を見る。
「本当に、本っ当に……最っっ高だよ!!他ならぬ箒ちゃんが!私を超えようと!何度でもぶつかってくる!!」
「っ……」
歓喜の声を上げる束に、箒は若干気圧されて一歩下がる。
恐れて……ではない。ただ単に、あまりの喜びように驚いただけだ。
「ずっと、ずっと待っていた!同じ天才じゃない。積み重ねた“努力”で強くなった相手に、全力でやって負ける事を!空を自由に飛べる日の次に、私は待ち焦がれてた!」
「姉さん……」
「それが!今日!両方訪れるなんて……!本当に……!」
「ッ!」
ギィイイイン!!
「最っ高だよ、箒ちゃん……!」
「ぐ、ぅ……!」
束のブレードを受け止めた箒は、その重さに顔を苦悶に歪める。
だが、“負けていられない”と、箒は自らを奮い立たせ、持ち堪える。
「っ、ぁあああああああっ!!」
「ッ!」
ギッ、ギィイイン!!
二閃。一撃目の音が響く前に、二撃目をぶつけ合う。
その反動で、箒は大きく後退する。
「つぁっ!!」
「はぁっ!」
ギィイイン!!
その直後、箒は無理矢理踏み込み、ブレードを振るう。
執
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