最終章:夢を追い続けて
第69話「天才の姉、努力の妹」
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箒は辛うじてその一撃を避け、そのまま反撃を繰り出す。
しかし、それを束は“水”で避ける。
「ぐ、はぁっ!」
「ふっ!」
ギィイイイン!!
互いに“水”と“風”の効果で避け続ける。
だが、地力では束の方が上だ。
よって、ついに箒が攻撃に移るまでに束の対処が追いついてしまった。
「くぅっ……!」
「シッ!」
「ッ!はぁっ!!」
“火”と“土”の有無による差で箒は後退する。
そこへ放たれる追撃の刺突を、箒は顔を傾ける事で掠るに留める。
「ッ、ここだ!!」
ギィイイン!!
「なっ!?」
攻撃を避けた箒は、束本人ではなくブレードへと攻撃を叩きつける。
しかも、属性を宿さずに。
「隙あり!」
「ッ!」
束が動揺した瞬間に箒は肉薄する。
ブレードを振り下ろすのではなく、ブレードを持っていない手で体勢を崩すように掌底を放ち、逆手にブレードを持ち替えると同時にそのまま柄で突いた。
「ぐっ……!」
「っ……」
そこから箒は、深追いせずに下がった。
深追いをすれば反撃を喰らうと読んだからだ。
「……驚いただろう。姉さん」
「……まぁね。一体、どうやったのさ?」
先ほどの自身に当てた一撃……ではなく、ブレードを弾いた一撃。
本来なら、“水”か“風”を宿している時点で対処できるはずだった。
「私には、姉さんに対抗できるほど属性を極める事も、宿す事も出来なかった。だから、その代わりに“弱点”を探った」
「……“弱点”、ね」
「“火”や“土”、“風”はともかく、“水”は攻撃を当てるのに単体だけでも厄介だ。同じ“水”を扱うか、相手の反応速度を上回らなければならない」
この辺りは属性を扱う者の間では当たり前の事だ。
「だが、その必要はなかった。……属性を扱わずとも、いや、扱わない且つ似通った性質の一撃なら、通じる」
「…………!」
箒にも目に見えて、束は驚いた。
この事は、束はおろか桜も知りえなかった事だ。
否、二人程の実力者だからこそ気づけなかった事でもある。
何せ、弱点が露呈する程の戦闘になった事がないのだから。
「今ので確信を得た。……超えさせてもらう……!」
「っ、そう簡単には、負けないよ!」
ギィイイン!!
再びブレード同士がぶつかり合う。
だが、束の動きが、若干攻撃を躊躇いがちになっていた。
箒から弱点を聞き、その弱点を突いてこないか警戒していたからだ。
「ふっ!」
ギギィイイン!!
「っっ……!」
依
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