暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第69話「天才の姉、努力の妹」
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
箒は辛うじてその一撃を避け、そのまま反撃を繰り出す。
 しかし、それを束は“水”で避ける。

「ぐ、はぁっ!」

「ふっ!」

     ギィイイイン!!

 互いに“水”と“風”の効果で避け続ける。
 だが、地力では束の方が上だ。
 よって、ついに箒が攻撃に移るまでに束の対処が追いついてしまった。

「くぅっ……!」

「シッ!」

「ッ!はぁっ!!」

 “火”と“土”の有無による差で箒は後退する。
 そこへ放たれる追撃の刺突を、箒は顔を傾ける事で掠るに留める。

「ッ、ここだ!!」

     ギィイイン!!

「なっ!?」

 攻撃を避けた箒は、束本人ではなくブレードへと攻撃を叩きつける。
 しかも、()()()宿()()()()

「隙あり!」

「ッ!」

 束が動揺した瞬間に箒は肉薄する。
 ブレードを振り下ろすのではなく、ブレードを持っていない手で体勢を崩すように掌底を放ち、逆手にブレードを持ち替えると同時にそのまま柄で突いた。

「ぐっ……!」

「っ……」

 そこから箒は、深追いせずに下がった。
 深追いをすれば反撃を喰らうと読んだからだ。

「……驚いただろう。姉さん」

「……まぁね。一体、どうやったのさ?」

 先ほどの自身に当てた一撃……ではなく、ブレードを弾いた一撃。
 本来なら、“水”か“風”を宿している時点で対処できるはずだった。

「私には、姉さんに対抗できるほど属性を極める事も、宿す事も出来なかった。だから、その代わりに“弱点”を探った」

「……“弱点”、ね」

「“火”や“土”、“風”はともかく、“水”は攻撃を当てるのに単体だけでも厄介だ。同じ“水”を扱うか、相手の反応速度を上回らなければならない」

 この辺りは属性を扱う者の間では当たり前の事だ。

「だが、その必要はなかった。……属性を扱わずとも、いや、扱わない且つ似通った性質の一撃なら、通じる」

「…………!」

 箒にも目に見えて、束は驚いた。
 この事は、束はおろか桜も知りえなかった事だ。
 否、二人程の実力者だからこそ気づけなかった事でもある。
 何せ、弱点が露呈する程の戦闘になった事がないのだから。

「今ので確信を得た。……超えさせてもらう……!」

「っ、そう簡単には、負けないよ!」

     ギィイイン!!

 再びブレード同士がぶつかり合う。
 だが、束の動きが、若干攻撃を躊躇いがちになっていた。
 箒から弱点を聞き、その弱点を突いてこないか警戒していたからだ。

「ふっ!」

     ギギィイイン!!

「っっ……!」

 依
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ