暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第69話「天才の姉、努力の妹」
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、箒はただ冷静に、それでいて熱く思考を巡らせる。
 この動きが通じなければ、別の動きを、それも通じなければさらに別の……。
 そうする事で、箒はあり得ない程の速度で成長し続けている。

「はぁっ!」

「っ!」

     ギィイン!ギギィイン!

「くっ……!まだだ!」

「っと……!甘い!」

     ギィイイイイン!!

「ぁあっ!」

「くっ……!」

     ギギギィイン!!

 箒はとにかく速く動き、何度も攻撃を繰り出す。
 束はそれに対し、適格に防御。そして反撃を繰り出していた。
 “火”と“土”の分、箒は反撃を防御しきれずに何度も後退していた。
 だが、それに構わず何度も箒は斬りかかる。
 当然、その度に箒は体力を減らしていった。

「ぉおっ!!」

「っ……!?」

 ……だと言うのに。

「まだ、だっ!!」

「っ……!」

 その剣筋に、一切の衰えが見られなかった。
 むしろ、さらに磨きが掛かっていた。

「(ありえない……って言いたいんだけどなぁ……)」

「はぁっ!」

「っ、はっ!」

「ぐっ……!」

 どんどん剣筋が鋭くなるのをその身で感じて、束は冷や汗を掻いていた。

「(元々、下地はあったって事なんだろうね)」

「くっ……!」

 だが、例え途轍もないスピードで成長するとしても、それでも大きな差があった。
 元々全てにおいて束の方が優れており、その上“地”と“火”の属性の有無。
 そして、“四属性を扱えるかどうか”だけでも相当の差があった。
 いくら成長しようと、その差を埋める事は不可能と言えた。

「はぁっ!」

「っ、甘い!」

     ギィイイン!!

「ぐぅ……!」

 既に五度、箒は防御の上から吹き飛ばされ、床を転がっている。
 それでもなお、箒は立ち上がる。

「(……一体、箒ちゃんを何がここまで突き動かしているの……?)」

 想いか、信念か、執念か。箒を突き動かす原動力が、束にはわからなかった。
 だが、考えている余裕は徐々になくなっていく。
 束の動きに、箒も慣れてきたのだ。

「そこだ!」

「っ……!」

 束の反撃を回避し、カウンターを放つ。
 それを避ける束の表情には、余裕はなかった。

「(まだか!)」

「(危ない……!)はぁっ!」

     ギィイイイン!!

「ぐっ……!」

 回避した直後に束は回し蹴りを繰り出す。
 それを顔を逸らす事で箒は回避するが、追撃のブレードで大きく後退する。

「はぁ、はぁ、はぁ……!」

「………」

 既に箒は息を切らしている。
 対し、束は先程の一
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ