十本目
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ここへ来てはや半月。
ポケモン図鑑のマップが示す場所は、トキワの森の外れ。
そんな事を思っていると、ドアがノックされた。
枕元の矢筒を肩にかけ、矢を取り、弓を構える。
「誰だ」
「私です」
「ルーリック?」
ドアを開けると、ルーリックが立っていた。
「ティグルヴルムド卿に会いたいという者が。
なるべく音をたてずに、此方へ」
くらい街をルーリックに案内されて進む。
そうして、街の入り口には…
「婆ちゃん!?」
「ティグル!」
婆ちゃんに駆けよって、抱きつく。
「おぉ…ティグル…よく無事で…」
「婆ちゃんこそ、遠かっただろう?」
「ティグルヴルムド卿!声!」
「すまん…」
「この老婆はあろうことかこの街へ忍び込もうとしておりまして。
人間でしたのでもしやと思い貴方様の名を出したら合わせてくれの一点張りで…」
そうか…俺のために…!
「婆ちゃん、聞きたい事がいっぱいある。でも…」
「ティグル、それどころじゃぁないんだよ」
「なに?」
「各地でロケット団の勢力がつよまってるんだよ」
もしや…
「もしかして、マサラタウンにも…?」
「私には、よくわからないけどねぇ。
だけど、オーキド博士は何か知っているようだったよ。
ここまでの地図と足を用意してくれたのはオーキド博士なんだよ」
なに…?ライトメリッツまでの地図…? 足…?
ふと、隣に伏せているウインディが目にはいる。
このウインディは博士のパーティーのはず…それを渡してでも婆ちゃんをここに来させたって事は…
……帰らなきゃ
「ティグルヴルムド卿。お気持ちはわかりますが…
どうかお戻りください」
「悪いが、それは聞けん」
「お戻りください!」
こんどは先より強い語調で。
「できん!」
「手荒な真似はしたくないのです。
いえ、手荒どころか、森に近付けば死刑だとっ…!」
ルーリックの手は震えていた。
お前は、優しい男だな…
「その上で、その上で俺は出ると言っている」
震えるルーリックを押し退ける。
そのまま、出ようとした時だった。
「随分騒がしいと思えば…
こんな夜更けにどこへ行くのだ?」
現れたのは、エレンだった。
街の門に寄りかかり、その紅い瞳でこちらを睨んでいる。
「ここから出れば……そう言った筈だが」
その服装は、寝間着ではなく、しっかりとした服だった。
「俺が出ると、気付いていたのか?」
「夜着でもよかったが、その場合、お前は私を真っ直ぐに見れなかっただろう?」
そのからかうような口調。
この一ヶ月、聞か
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