第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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の後ろに隠れた。
ここでナレーション、
『要は、これからパワーアップするつもりなのだが、最初の変身と同様に、やはり服がいったん全部溶ける。ほのかは性格は幼児だが、そういうところだけは恥ずかしいのである』
「幼児じゃないもんっ!」
などとまたもやナレーションに文句をつけるほのかであったが、最後にギャーッという悲鳴が繋がって語尾がモンギャーになってしまっていた。
何故にモンギャーと絶叫したかについて説明すると、先ほどからの戦闘による爆音轟音騒ぎを聞きつけたのか、浮浪者たちがわらわら集まっていたのである。
「あっちに行っててくださーい! えい、眠れっ!」
ファイアリーロッドをひゅんと一振り。
魔法で浮浪者のおっさんたちを夢の世界へ送ったほのかは、まだいやしないかと辺りをキョロキョロ確認すると、ふうっと息を吐きいた。
ロッドを持った手を天へと振り上げた。
詠唱。
「ティル、フィル、ローグ。二つの世界を統べる存在よ。我、契約せし者ほのかが願う。悪を滅し、調和を守護する、さらなる力を!」
19
炎の龍が再びあらわれて、ほのかを取り囲み、うねうねと舞い踊る。
包囲の輪が狭まって、ほのかの身体が完全に覆い隠された。
龍が離れると、ほのかの魔道着はすべて燃え散り一糸まとわぬ姿になっていた。
龍の炎の色が、さらに赤く赤く変化したかと思うと、突然ごうと唸りをあげて、ほのかの柔らかそうな肉体を包み込んだ。
ぐるぐると、炎の龍はほのかの身体を踊るように這い回り、突然、ぱあっと四散して消えた。
そこには、真紅の魔道着に身を包んだほのかの姿があった。
スカーレットフォームと呼ばれる、彼女の強化形態である。
「なんでいちいち服が溶けるんですかあ!」
強化変身のバンクシーンが終了するや否、顔を赤らめて文句をいうほのか。
その問いの、答えを述べるは簡単だ。
『お約束だからである』
はーあ、とため息を吐いたほのかは、まだまだ吐ききれていないようであるが、キリがないと諦めたようで、
「まあ、いいや。……行きますっ!」
たーん、と跳躍して巨木を軽々楽々と飛び越えていた。
変身のために身を隠していただけであり、マーカイ獣は木の裏側にいるので、別に飛び越える必要もないのだが。
それはさておき巨木を飛び越えたほのかは、マーカイ獣の前にすたっと着地。ぴしっとポーズとりながら決め台詞だ。
「パワーアップに勇気も無限。魔法女子ほのかスカーレット! この正義の炎をにゃみに、闇に、びゃっこする、ちみりょ……ちりみょ、えと、ちり、ち、ちみっ……」
「だから、噛みまくるくらいなら無理していうんじゃねえよ!
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