第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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ざけてないで、真面目に戦えええ! 俺までバカだと思われるだろうが!」
「ごご、ごめんなさあい。だって、まさかこんな武器が出るなんてえ」
「ごめんだあ? 謝る気持ちがあるなら、まずは誠意を込めて地面に手をついてもらおうか」
「ええーっ! そこまでしなきゃならないことですかあ? じゃあ……ふざけてしまって誠に申し訳ござい……」
渋々ながらも地面に膝をつき、手をつき、頭を下げて土下座をした……ところを、
「バカめ!」
グシ、と後頭部を思い切り踏みつけられ、
「むぎゃ!」
かなり硬い地面なのに、顔面どころか頭部まで完全陥没。
ずぽんっ、と土まみれの汚れた顔を上げたほのかは、ぷるぷる首を振ると、恨めしそうな涙目をマーカイ獣へと向けた。
「ず、ずるい……」
「てめえがバカなだけだーーーっ!」
相棒のあまりの情けなさに、ニャーケトルまで涙目であった。
「デブ猫のいう通りだっ! バカは死ねえ!」
と、マーカイ獣ヴェルフは目の前にひざまずいているほのかへと、ぶんぶんと両手の爪を振り下ろした。
だが、ほのかのいた場所にほのかはいなかった。
空中であった。
ぎりぎりで、大きく跳躍してかわしていたのである。
華麗にトンボを切って、そして着地。
どぼお、
と、不快な音がした。
道の端の排水溝に、たまたま蓋がされていない箇所があり、運悪くそこに思い切り片足を突っ込んでしまったのである。
慌てて足を引き抜くが、ブーツはすっかり汚泥まみれであった。
「さ、さ、さっきから卑怯な攻撃ばっかりっ!」
これで何度目であろうか、ほのかは目に涙を浮かべて、非難轟々マーカイ獣を睨みつけた。
「……単に、お前がバカなだけだろうが。そのデブ猫がいってたこと、聞いてなかったのかよ……」
聞いていなかった。
ただし、デブ猫のいっていたことを、ではない。マーカイ獣のいっていることを、である。
何故ならば、
「私、もう怒っちゃいました……」
そう、ほのかは静かに激怒していたのである。
仁王立つ彼女の後ろに、どおおん、と炎の龍がうねうねとうねる。
ほのかの顔がアップになる。
自分の感情を押さえ込むように、ぼそり、小さく口を開いた。
「ほのかの、ほのかな炎が……いま、激しく燃え上がります!」
どどどおおおん、と炎の龍が待ってましたとばかり激しく暴れうねり狂うが、しかし、ここでほのかは突然のテンションダウン、現実に戻って、
「ちょ、ちょっと待ってて下さいねっ。覗いちゃダメですからねっ! 逃げたりしませんから、私」
と、意表を突かれて唖然としているマーカイ獣へ、ほのかはお願いしながら後ずさり、大きな木
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