第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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か、かかっ……」
「それよりも、島田くんの用ってなんなの? 私たち、これからデートだから、早く済ませたいんだけど」
「あ、ああっ、えとっ、えとっ、妹がさっ、お、お前のこと気にいっちゃって。たまたま近くにきたから、とか、なんとなあく、とかでいいから気が向いたらまた遊んでやってくれよな。って、それだけ。ただそんだけっ」
「うん、分かった」
香織は笑顔で頷いた。
「学校でっ、たたっ頼んでもよかったんだけど俺はっ、なんか勘違いされてもお前が困ると思って。んじゃあなっ、デート楽しんでこいよ!」
呆けた表情ながらも格好つけた台詞を吐いて、ぶんぶんぶんぶん手を振って香織たちカップルを公園から送り出したはいいが、いつまでも、その表情のまま、立ち尽くしている悟であった。
茂みの陰から見ていたほのかは、同情禁じ得ないといった、ちょっと悲しそうな顔で、
「まあ、そういう関係も、ありですかねえ。でもなんだか、かわいそお……」
「いやあ、ありもなにも、あいつにはそういう関係程度しかありじゃないでしょ。アホでスケベで悟のくせに、彼女を欲するだなんて、百億年早いんだっつーの」
ないきはそういうと腹を抱えて、わははははと大笑いを始めた。
「ちょ、ちょっと、ないきちゃんっ、そんなに笑わなくてもお! 目の前で、人が失恋したんですよお! フシンキンだと思いますう」
「だあって、おかしいんだもん。それとそれいうならフキンシンな。ああ、しかしおかしい最高っ!」
と、ないきが、なおも振られっぷりに大爆笑していると、
「そんなにおかしいか?」
いつからいたのか、悟がすぐ前に立っていた。
恨めしそうな顔で。
ないきは、びっくん肩を震わせると、一瞬浮かべたやべっという表情を、ごまかすような笑顔で隠しながら、
「あ、あっ、いや、ごめんね悟くーん。落ち込むなよお。元気出せーっ」
と、しゃかしゃか悟の頭をなでるが、
「もうおせーーーっ!」
叫ぶが早いか、悟はないきの制服スカートを両手でがっし掴んで、はぎ取らんばかり全力全開容赦なく躊躇いなくめくり上げていた。
ないきの顔が隠れてしまうくらいに、目いっぱい限界まで。
ないきの顔に「!」が浮かんだ瞬間には、悟は既に横へステップを踏んでほのかも同様の毒牙にかけていた。
「てめ、なにしやがる!」
「なんで私までえ!」
二人は裏声で絶叫しながら、スカートを両手で押さえ付けた。
「うるせーっ、ブァーカ!」
悟はあかんべえをすると、掴みかかろうとするないきの手をかいくぐって、お尻ペンペン挑発した。
「待てえ!」
追いかける女子二人であるが、悟はすばしっこく、なかなか捕まらない。
なんとなく雄也の方を
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