第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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は、戦いが終わったことを確信すると、グローブをはめたままの巨大な手を高く掲げて、
「ほのか、ウイン!」
にっこり笑って自画自賛の勝利ポーズを決めた。
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惚笛ほのか、
都賀ないき、
高木雄也、
公園の中で三人は、茂みに身を潜めている。
噴水の前に立っている二人を、固唾を呑んで見守っている。
島田悟と、早川香織、数歩の距離でお互いを見合っている二人を。
「なんかさあ、こそこそしてて、後ろめたいなあ」
雄也がぼそり。
「でも島田の奴が、見ててくれ応援しててくれ俺にパワー送ってくれ、ってこうしてあたしらを呼びつけたんだぜえ」
ないきは、むしろありがたく思えといわんばかりの口ぶりである。
「愛の告白、成功するといいですねえ」
ほのかは、他人のことながらドキドキしてしまって、笑顔が真っ赤っかだ。
「大丈夫っしょ。って確証はないけど、でも大丈夫」
純情百パーセントのほのかと違って、娯楽百パーセントなのか平然とした表情口調のないきである。
「お、いうぞっ!」
雄也のこそっと小さな叫び声に、ないきたちは口を閉ざし、耳を澄ませた。
「お、お、お、お」
前回同様、相変わらずつっかえつっかえの悟であった。前回はこのあと、ほのかの顔を真っ赤にさせるとんでもないことをいったのだが。
「お、お、おれ、おれっ、おれっ」
今回は大丈夫のようである。
「頑張れっ!」
ほのか、両の拳を強く握り締めながら、茂みの陰からぼそりこそり。
「負けんなあ。うおーっ」
ないきも、バレない程度の大声で、右手を天へと突き上げた。
彼女らの応援が届いたのか、ついに悟が、
「おれっ、おれっ、おれとっ、とっ、つきっ、つきっ、付き合っ!」
告白の言葉が喉元に出掛かった。
だが、
しかし……
付き合「って」、の口の形になったタイミングであった。
「おい、香織、なにやってんだよ?」
えんじ色のブレザー、他校の制服を着た、すらり背の高い男子があらわれたのは。
「ああ、孝一くん」
香織は、ニコリ笑顔を作った。
知り合いのようである。
「だ、だだっ、だだっ、だだっ、だれ誰っ?」
悟はすっかり狼狽した様子で、両手の人差し指をぶんぶん振り回した。
つっかえつっかえようやく発した質問であるが、答えが返るまではほんの一瞬であった。
「彼氏だけど」
それがなにか? といったような香織の表情。
悟は、あまりの驚きに、張り裂けそうなほどの大口を開けていた。
「
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