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いたくないっ!
第八章 魔法女子ほのか (Bパート)
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は、戦いが終わったことを確信すると、グローブをはめたままの巨大な手を高く掲げて、


「ほのか、ウイン!」


 にっこり笑って自画自賛の勝利ポーズを決めた。

     20
 (こつ)(ぶえ)ほのか、
 ()()ないき、
 (たか)()(ゆう)()

 公園の中で三人は、茂みに身を潜めている。
 噴水の前に立っている二人を、固唾を呑んで見守っている。

 島田悟と、早川香織、数歩の距離でお互いを見合っている二人を。

「なんかさあ、こそこそしてて、後ろめたいなあ」

 雄也がぼそり。

「でも島田の奴が、見ててくれ応援しててくれ俺にパワー送ってくれ、ってこうしてあたしらを呼びつけたんだぜえ」

 ないきは、むしろありがたく思えといわんばかりの口ぶりである。

「愛の告白、成功するといいですねえ」

 ほのかは、他人のことながらドキドキしてしまって、笑顔が真っ赤っかだ。

「大丈夫っしょ。って確証はないけど、でも大丈夫」

 純情百パーセントのほのかと違って、娯楽百パーセントなのか平然とした表情口調のないきである。

「お、いうぞっ!」

 雄也のこそっと小さな叫び声に、ないきたちは口を閉ざし、耳を澄ませた。

「お、お、お、お」

 前回同様、相変わらずつっかえつっかえの悟であった。前回はこのあと、ほのかの顔を真っ赤にさせるとんでもないことをいったのだが。

「お、お、おれ、おれっ、おれっ」

 今回は大丈夫のようである。

「頑張れっ!」

 ほのか、両の拳を強く握り締めながら、茂みの陰からぼそりこそり。

「負けんなあ。うおーっ」

 ないきも、バレない程度の大声で、右手を天へと突き上げた。
 彼女らの応援が届いたのか、ついに悟が、

「おれっ、おれっ、おれとっ、とっ、つきっ、つきっ、付き合っ!」

 告白の言葉が喉元に出掛かった。
 だが、
 しかし……
 付き合「って」、の口の形になったタイミングであった。

「おい、香織、なにやってんだよ?」

 えんじ色のブレザー、他校の制服を着た、すらり背の高い男子があらわれたのは。

「ああ、孝一(こういち)くん」

 香織は、ニコリ笑顔を作った。
 知り合いのようである。

「だ、だだっ、だだっ、だだっ、だれ誰っ?」

 悟はすっかり狼狽した様子で、両手の人差し指をぶんぶん振り回した。
 つっかえつっかえようやく発した質問であるが、答えが返るまではほんの一瞬であった。

「彼氏だけど」

 それがなにか? といったような香織の表情。
 悟は、あまりの驚きに、張り裂けそうなほどの大口を開けていた。


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