九本目
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「けふっ…あぁ、旨かった」
食事は、兵士達と同じ物だ。
俺がここに来てから、特に嫌がらせ等は受けていない。
それに、弓の実力を認めて貰える。
この『国』は、いい所だ。
皆優しく素直だ。
きっと、彼らは真の意味での悪意というものを知らない。
「まぁ、でも、ないな」
確かにライトメリッツ公国は素晴らしい場所だ。
だが、俺はマサラタウンに、ティッタの元へ帰らねばならない。
「んー…体でも流すか」
修練場の井戸……は止めとこう。
たしかに嫌がらせは無いが、俺の事を気に入らない奴もいる。
「あぁ、そう言えば…」
エレンのログハウスの近くにも井戸があったな。
しかし遠くから見かけただけだったが、あれはかなり外れの方…
つまるところ俺に課せられたレッドライン上と言ってもいい場所だ。
しかし、まぁ…
「目的がはっきりしているならば問題ないだろう」
少し歩くと、奥まった場所についた。
井戸はこの先。
井戸へ近づくと、水音が聞こえた。
「先客か…?」
まぁ、いいか。
ここまで来たんだし、ここで体を流そう。
「ん?あぁ、なんだお前か」
しくった…!
「あ、や、えと、これは、その…」
目の前には、一糸纏わぬエレンの姿があった。
その姿は、言葉に出来ないほど扇情的であると同時に、感動を覚える程に美しかった。
「そんなに見つめられると、流石に恥ずかしいのだが」
急いで後ろを向く。
「す、すまない。誰か居るのは音でわかったが、まさかお前とは…」
「別に謝る事はない。お前も体を流しにきたのだろう?
こっちへ来たらどうだ?」
おまえはなにをいってるんだ…
「ら、ライトメリッツでは男女が一緒に水浴びするのは普通なのか?」
「いや、せいぜい5〜6歳までだな」
「そ、そうか」
俺八歳だしアウトだな。
「しかし私は戦姫だ。不意討ちで裸を見られて恥ずかしくとも、生娘のように縮こまったりはできん」
それは少し気を張りすぎでは…?
「おまえ、もしかしてここが女性専用と知らなかったのか?」
「すまん」
「いやいい。私の部屋から近いので使っている内に兵達が遠慮してな。
ソレをしって他の侍女達も使うようになったんだ。
先に言っておくべきだったな」
「本当にすまん…」
「私だから良かった物の、リムならその井戸へ身を隠しただろう。
そうなれば流石の私も擁護できん」
擁護云々の前に斬られるな…
「来ないのか、ティグル?」
「お前が済ませたらな」
「わかった、ではもうしばらく待て」
振り向けば桃源郷、ただし後で首が跳
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